コラム

参議院選挙を終えて:思考停止からの脱却

参議院選挙を終えての感想を簡単にまとめておく。 選挙そのものということと同時に、その選挙に至る前の段階も踏まえての感想である。すでに右か左か、保守かリベラルか、といったステレオタイプ的な分類が意味をなさない時代に入っている中で、今回の参議院…

懐メロとしてのニューミュージック

日経新聞の一面コラム「春秋」は、70歳を迎えたシンガーソングライター吉田拓郎さんの秋に予定している2年ぶりのコンサートについて触れている。ニューミュージック、それはすでに死語になっている。1970年〜1980年代に吉田さんや井上陽水さんらがリードした…

高校生の模擬投票の記事に思う

参議院選挙が近づくにつれ、選挙権年齢が18歳以上になったことにより各地の高校での模擬選挙の様子が新聞で報道されている。 新たな選挙を迎える18歳から19歳の人たちにとって、こうした学校などでの経験は有効で、20歳以上の人たちより増して、選挙に対する…

「週刊文春」の凋落

私は、自宅宅配で日本経済新聞を購読している。大学生の頃からだから40年にも及ぶ。惰性といえば惰性だ。ビジネスマンの多くが読む日経新聞であるが、リタイアされると日経購読をやめる人が多く、団塊の世代から下の世代の人口の多い世代が次々に退職してい…

ラジオと花〜その不思議な関係

本格的な夏を目の前にして、日本のあちこちでアジサイの花が咲いている。わたくしの自宅近くの幼稚園の庭や、近隣住宅の庭にもあざやかなアジサイが咲いている。小さくこぎれいな和食の店の前の街路にはアジサイの花が植え込みされている。また花屋さんの店…

浪曲師・玉川奈々福さん

日本の伝統芸能というと、能、歌舞伎、人形浄瑠璃、狂言、落語……など、数が多い。 世界を見渡した時に、これだけ伝統芸能の種類が多いのは日本だけ。 と、語っているのは、女性浪曲師の玉川奈々福さんである。 大学を卒業し、社会人を経験し、何気なく通った…

田中角栄論

今から15年前ぐらいであっただろうか。六本木までタクシーに乗った。その個人タクシーでは、田中角栄の演説の録音テープが流されていた。運転手さんに尋ねると、「私の友人のタクシー運転手が目白の田中邸のお抱え運転手だったんですよ。彼から田中さんのこ…

プロレスとプロレス放送

小学生から中学生のころ、テレビのプロレス放送をよく観た。力道山の記憶はかすかにあり、その後、馬場・猪木全盛の時代であった。白黒テレビで金曜日の夜8時、ディズニーのアニメ番組と日本プロレスが日本テレビで隔週で放映されていた。また試合の合間に三…

評論家の名前に値するもの

舛添都知事の話題が下火になっている中で、古市憲寿氏へのバッシングが話題になっている。党首討論の司会者としてのお粗末な態度は非難されても、社会学者としての古市氏の学者としての能力が高ければ、それはそれで評価されるべきである。 実際のところの学…

『乱れからくり』と推理力

『乱れからくり』泡坂妻夫、創元推理文庫(日本推理作家協会賞受賞作)を読んだ。 最後まで真犯人がわからない。そして最後のどんでん返し。 推理小説の書き手というのは、本当に緻密な頭脳の持ち主であると思う。 古くはコナンドイルのシャーロックホームズ…

ニコ生・党首討論にみるテレビ人の幼児化

あきれてものが言えない、とはこのことか。 ニコニコ生放送で各党党首の討論が行われた。司会の社会学者と女子アナのお粗末さは、極まれり。 昨日のエントリーでも触れたが討論になっていない。ただ各党党首が自論を述べるだけ。極め付きは司会者の小沢党首…

対話力

日曜日に、次の二つのインターネット上の対談動画を見た。 いずれも倉山満氏が大御所といわれる日下公人氏と加瀬英明氏の二人の大先輩と対談するという番組である。●6/17(金)日下公人「日本出動」第10回 ゲスト:倉山満 〜日下公人先生にお話をうかがって…

産経新聞を読んで:短期志向と長期志向

●参院選各党の公約比較 今日19日のサンケイ新聞は、6面7面で各党の参院選公約要旨を掲載している。 衆議院と違って参議院は解散というのがないので、より長期的な視点で国政を考え評価できると思う。したがって、参議院議員には、長期的な視点で日本がどうい…

若い有権者のために

選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が19日に施行される。新たな有権者にとっては、この参院選は初の国政選挙となる。 政党各党は若者との接点づくりのため、さまざまな動きを試みているようである。 さて、有権者としての先輩でもある20歳以上…

何が言いたいのかわからない「大機小機」

日本経済新聞の「大機小機」という囲み記事は、匿名のものであり、 かつては、新聞社外の有識者が交代で執筆していると評価も高かったが 最近のものは、何を言わんとしているのかわからない時が多い。 15日の(唯識)というペンネームの筆者。「ポピュリズム…

「ゆる」と「B」批判

日本経済新聞6月12日朝刊10面に「誰でも参加「ゆるスポーツ」」という記事が出ていた。 「年齢や障害の有無に関係なく、誰でも楽しめる新しいタイプのスポーツが続々登場している。健康寿命の延伸はもちろん、スポーツ産業の活性化策としても期待を集める。……

テレビメディアは、いつから東スポになったのか

昨日9日の朝、インターネット放送の「虎ノ門ニュース」では、青山繁晴氏が冒頭から約1時間ほど、中国軍艦とロシア軍艦の尖閣接続水域へ入った問題を取り上げていた。情報収集のために徹夜をしたであろう、ぼーっとした顔であるが、危機感にあふれた緊張した…

[書評]ナイチンゲールと貝原益軒

3か月ほど前、右足首から甲にかけて痛みを感じ、少々歩行に困難を生じて苦しんだ。すでに日常生活に支障のないほど回復しているが、まだ若干の違和感が残っている。人は、病気やケガをしたとき、普段感じることのないさまざまなことの知るものである。たとえ…

舛添都知事問題について考える

マスコミやネットで、いやというほど取り上げられている舛添都知事問題。法的な問題はないが一部不適切との弁護士の調査にも批判の声が多い。 舛添問題に国民や都民の目が集中してしまう中で、いくつかの重要な国家的課題が見過ごされてしまう危険があること…

経営トップの情報発信について

国レベルの競争において、軍事的な装備の競争と同時に情報戦が必要であることは言うまでもない。 日本はこの「情報の戦争」について、あまりに無防備であった。 企業における競争においても情報戦は重要である。 とりわけ、企業の経営トップの発する言葉は、…

米粒写経・居島一平論

漫才コンビ米粒写経(こめつぶしゃきょう)の居島一平(おりしまいっぺい)さんの存在を知ったのは平日毎朝8時から一平さんがMCを務める2時間番組「虎の門ニュース」である。 *CS番組(DHCシアター)で、現在はニコ生、YouTube,abemaTVなどのネットで無…

健康博2015

先週後半に東京ビッグサイトで開催された第33回健康博覧会2015を覗いてきた。ヘルスケアビジネスの動向は専門分野の一つであるので、こうした見本市は情報収集のためには貴重な場である。 今回の健康博の目玉の一つに「ココナッツオイル」がある。 *東京ビ…

身を守る

知人の造形作家・小山一馬さんの銀座での個展に出かけた。ここ数年、小山さんの作品を見続けているが、社会に対する強いメッセージ性を彼の作品から感じ取ることができる。 彼は、いつも廃材に目を向ける。使用済みの段ボールはメインの材料となる。使い捨て…

クラウド化と情報一元化

オリックスが会計ソフト大手の弥生を買収ると発表した。弥生はシェア8割とはいうものの、DVDという箱販売ベースでのことで、会計ソフトのクラウド化が課題である。 弥生の主要顧客は小規模企業で、オリックスとしてはこの顧客層に向けたワンストップサービス…

冬本番と消費者心理、投資家心理

■量販店の新聞折り込みチラシより 新聞折り込みチラシを眺めると消費の動向の一端が見て取れる。 11月12日のチラシより。 ○ホームセンター・コーナン 「冬のあったか暖らん生活」がメインキャッチフレーズ。 ちなみに本来の「団欒」が「暖らん」に。 ホーム…

美酒早慶戦

大学時代の同級生から案内をもらい、東京・銀座で開かれた「第4回・美酒早慶戦」に参加した。 美酒早慶戦とは、早稲田大学出身と慶應義塾大学出身の蔵元が出品し、各蔵を代表する純米大吟醸酒を参加者が利き酒し、「蔵元出身大学対抗」という切り口で、勝敗…

川澄選手の北の大地での凱旋帰国試合

女子サッカーINAC神戸レオネッサVSジェフ市原レディスの試合をBSフジでみた。 北海道の帯広で行われた試合、INACキャプテンの高瀬選手の故郷であり、凱旋帰国した川澄選手の復帰試合でもあり、試合当初からじっくりテレビ観戦させていただいた。…

自虐史観と自尊史観(レピュテーションを維持・向上・回復するには)

現役および元・経営コンサルタントの諸先輩方10数名と定期的に開いている経営研究会に参加した。テーマは「レピュテーション・マネジメント(評判管理)」である。発表者の方の「築城3年落城1日」という言葉から話は始まった。評判や信用をを築くには地道な…

現場力と経営力

昨日、青山さんのことを書いた。 青山さんが木曜レギュラーをつとめているラジオ番組・ニッポン放送「ボイス・そこまで言うか」の月曜日のコメンテイターは勝谷将彦さんだ。 勝谷さんの有料メルマガを読んで、あることを考えたので、今日はそのことについて…

一生を棒にふるような仕事がしたい

学生時代の友人でサークルの仲間であった青山繁晴さんが、あるネット上の番組で、その人生の一端を語ってくれた。 青山さんはシンクタンクの独立総合研究所社長として、そして関東圏ではニッポン放送「ザ・ボイス」の木曜コメンテイターとして活躍されている…