2008-01-01から1年間の記事一覧

第三の男(The Third Man)

モノクロ映画の不朽の名作といわれる「第三の男」をDVDで観た。第二次大戦直後のオーストリア・ウィーンを舞台に、オーソンウェルズの存在感が光る。映画評論家の方々などは、この第三の男をベストの作品として評価することが多いが、私の場合は、必ずしもベ…

資本主義はなぜ自壊したのか

著名な経済学者である中谷巌さんの新著『資本主義はなぜ自壊したのか』を読んだ。不思議な読後感を覚えている。なるほどというところが5割、そんなに極端から極端へ振れても良いのかという疑問が3割、はたしてこの中谷巌という学者を信用してよいのかという…

「モノづくり」から「モノなおし」へ

勝谷誠彦さんの有料メルマガを毎日楽しみに見ているが、本当によく一日も休まずに書かれることはすばらしい。http://katsuyamasahiko.jp/ 13日の自転車屋さん論議は、なかなかのものだった。2代目68歳の尼崎の街の自転車屋さんの店主の話。 「トータルでお客…

行間を読む

先の「日本語が亡びるとき」論争に続いて、分裂勘違い君劇場 http://d.hatena.ne.jp/fromdusktildawn/20081118/p1#seemoreさんのエントリーに対して、タケルンバ卿日記さんhttp://d.hatena.ne.jp/takerunba/20081120/p4をはさんでの弾さんhttp://app.blog.li…

STRATEGIC INNOVATION

STRATEGIC INNOVATIONは米国ワールプール社のイノベーションの軌跡を描いたものである。ワールプール社は日本ではなじみがないが白物家電の大手メーカーで全世界で展開を行っている。洗濯機が有名であるが、サイズが大きく日本の住宅環境に合わないのととも…

言論封鎖手段としての広告?

たいへんショッキングな発言で、ここのところ呆然としている。某大手自動車メーカーの重鎮の発言である。 http://www.asahi.com/national/update/1112/TKY200811120346.html <トヨタ自動車の奥田碩取締役相談役は12日、首相官邸で開かれた「厚生労働行政の…

教養のためのブックガイド

文藝春秋12月号に立花隆・佐藤優の両氏による「21世紀図書館・必読200冊」という対談が掲載されている。それぞれが21世紀を生きるための教養書を100冊ずつ挙げている。そのなかで自分自身が読んだことのあるものは立花さん100冊では6冊、佐藤さん100冊では12…

日本語が亡びるとき

ここ半年ほど、意識をして英語の書籍や雑誌を読み、CNNなどの英語放送のテレビを見て、iPodで英語を聞いていた。12月にある国際会議の小さなセッションで報告と座長を務めなくてはいけないからだ。日本語ならなんとかなる自信はあるのだが、英語でとなると………

1缶83円の発泡酒

消費マインドが冷え込むなか、ビールから発泡酒・第三のビールへの需要シフトが起きて久しい。 家の近くの業務用スーパーは、各種冷凍食品を中心に業務用ということで量は多いが割安の商品を扱っていて朝9時の開店時から賑わっている。 スーパープライム・ブ…

人生は勉強より「世渡り力」だ!

東京の墨田区・向島は親戚がいるので、子供のころによく出かけた。その向島が生んだ世界のスーパースターで「痛くない注射針」や「携帯電話用リチウムイオン電池ケース」の開発で有名な岡野雅行さんの本。落語を聞いているような調子で一気に読んでしまう。 …

弥生時代の遺跡と現代の古民家

遺跡、それも住居の遺跡というと昔、学校で習った登呂遺跡を思い出す。しかし、身近なところにも遺跡はある。横浜のニュータウン・都筑区の地下鉄「センター北駅」近くにある「大塚・歳勝土遺跡公園」は不思議な空間だ。大型のショッピングセンターや大規模…

ラーメン進化論

誰しもお気に入りのラーメンがあると思う。日本の国民食は?と問われれば、といっても国民食とは何かということにもなるかと思うが。日本を代表する料理は、と言えば、寿司、天ぷらということになると思うが、国民食といえばラーメンでしょう。 アメリカの国…

池田武邦さんの「シイの木」の思い出

NHKのBSハイビジョン「日本の風景を変えた男たち:廃墟から超高層ビル、そして…」の再放送を見た。http://www.amazone.co.jp/works/hvsp.html 太平洋戦争における海軍軽巡洋艦「矢矧」沈没での奇跡の生還、戦後高度成長期のシンボルでもある霞が関ビル、新宿…

京都・大阪(3)

京都観光のシンボルともいえる金閣寺。たかが金閣、されど金閣だ。 京都からの帰路は、新たに開通した新名神高速で三重を通って、名古屋から東名に。 新名神は、忍者で有名な甲賀の里を通る。道路の両脇の山並みを見ると忍者の里だなという雰囲気が漂ってく…

京都・大阪(2)

京都・大阪旅行二日目の朝、ホテルの宴会場でのバイキングは、中国か台湾からの観光客と思われる人たちが数多く見受けられた。その後に出かけた、京都の定番の観光スポット、金閣寺や清水寺でもアジアや欧米の観光客の多さには、あらためて驚かされた。 午後…

京都・大阪(1)

夏休み、ガソリン高の裏を突いて家族と京都と大阪にクルマで出かけた。まだ朝の明けきらぬ早朝4時、川崎インターチェンジから東名高速を西へ西へ。静岡より西へクルマで向かうのは初めてだ。高速道路のサービスエリア・パーキングエリア(SA・PA)に1時間に1…

夜間飛行

前エントリーで触れた勝谷誠彦さんは夏休みのマレーシア、夏の夜の港町で飛行機の音を聞きサンテグジュペリの「夜間飛行」を思い出したという。それにつられて私も「夜間飛行」を読んでみた。 主人公リヴィエールは南米ブエノスアイレスで航空郵便会社の支配…

船場吉兆内閣

<使い回しに囁き女将。福田改造内閣は名づけて「船場吉兆内閣」> 今回の福田改造内閣を、戦うコラムニスト勝谷さんは、毎日配信されるその有料メール「勝谷誠彦の××な日々。」で「船場吉兆内閣」と名づけた。勝谷さんによれば林防衛大臣が福田新内閣の爆弾…

土潤溽暑(つちうるおってじょくしょなり)

「溽暑」とは、むしむしして耐えがたいほど暑いということ。土がじっとり湿って、うだるような暑さの日々。少し外に出ただけで汗が噴出してくる。夏の風物詩、高校野球の地方予選も終わり、暑さもピークを迎える。向日葵の花も照りつける太陽に向かって熱気…

コンメンタール・ドラッカーのイノベーション(2)変化を利する者

企業家精神とは、すでに行っていることをより上手に行うことよりも、まったく新しいことを行うことに価値を見出すことである。 企業家は変化を当然かつ健全なものとする。変化を探し、変化に対応し、変化を機会として利用する。これが企業家および企業家精神…

賢く生きる(藤原肇対談集)

藤原肇さんの本を読み始めて20数年になる。20代の頃はよく読んだ。1980年刊の「日本脱藩のすすめ」(東京新聞出版局)などは、本がボロボロになるまで読み込んだ。結局、日本脱藩はできなかったけれど。著作の多くはマイナーな出版社によるもので、一般の書…

コンメンタール・ドラッカーのイノベーション(1)企業家の定義

企業家はリスクを冒す。だが経済活動に携わる者は誰でもリスクを冒す。なぜならば、経済活動の本質は現在の資源を将来の期待のために使うこと、すなわち不確実性とリスクにあるからである。…確実性を必要とする人は、企業家に向かない。だが、そのような人は…

ナイスジョブ!西川のりお師匠

BS11(ビーエスイレブン)の対談番組「大人の自由時間:西川のりおの言語道断」は、時々見るようになった。何より、あの「つくつくぼうし」で一世を風靡した、西川のりお氏の鋭い突っ込みが魅力だ。漫才ブームのときの人気者のキャラクターを残しつつ、政治…

千葉の風景

私は神奈川県出身で、いまも横浜に住んでいる。湘南の海、丹沢の緑、箱根の森、横浜の港、川崎の工場地帯など神奈川の風景が好きなのは言うまでもない。しかし海を隔てたお隣の千葉の風景も好きだ。それも房総の海の風景ではなく、内陸の田園地帯の風景が好…

いちばん大事なこと-養老教授の環境論

世の中、地球温暖化・人為的CO2原因論の狂想曲と温暖化懐疑・人為的CO2原因否定論の議論が並立状態にある。洞爺湖サミットを前にして、マスメディアでは地球温暖化を食い止めよ、と狂ったかのように情報が流れ出ている。テレビや新聞では温暖化の大合唱だ。…

日本旅館の再生

日本経済新聞の6月22日一面コラム「春秋」は、外国旅行者の増加に向けて、まだまだやるべきことが多いということを取り上げている。 同じ、日経の読書欄では『旅館再生』桐山秀樹(角川ONEテーマ21)が小さく紹介されている。 日本の旅館の9割が経営不振だと…

THE AGE OF DISCONTINUITY 断絶の時代

イノベーションが求められている時代。イノベーションとは何か。イノベーションとは”Discontinuity"だと思う。ピーター・ドラッカーが1969年に著わしたTHE AGE OF DISCONTINUITYは、林雄二郎氏の翻訳本では「断絶の時代」という刺激的なタイトルで昭和44年に…

YOKOHAMA SANKEIEN GARDEN

花ショウブが見たくて横浜・三渓園にクルマで出かけた。ガソリン価格がリッターあたり170円を超え、車利用が減りつつあるという。港北から入る第三京浜は幾分、車の数が少ないような気がした。霞ヶ関・財務省前の深夜タクシーは、今どうなっているのだろうか…

蟹工船

駅前の行きつけの書店で気になる本があった。新潮文庫の『蟹工船』(小林多喜二著)である。あのプロレタリア文学の小林多喜二か・・・。でも、今なぜ平積みで書店の店頭を飾っているのだろう。テレビドラマか映画で取り上げられて、そのキャンペンーなのだ…

[コラム]群衆の叡智サミット2008spring

「群衆の叡智サミット2008spring」(主催:テックスタイル)に聴衆として参加してきた。群衆の叡智は英語でいえば”Wisdom of Crowds”である。このブログが「ウイズダムダイアリー」を標榜する以上は、”Wisdom of Crowds”について深く考えておく必要があるで…