2016-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「週刊文春」の凋落

私は、自宅宅配で日本経済新聞を購読している。大学生の頃からだから40年にも及ぶ。惰性といえば惰性だ。ビジネスマンの多くが読む日経新聞であるが、リタイアされると日経購読をやめる人が多く、団塊の世代から下の世代の人口の多い世代が次々に退職してい…

ラジオと花〜その不思議な関係

本格的な夏を目の前にして、日本のあちこちでアジサイの花が咲いている。わたくしの自宅近くの幼稚園の庭や、近隣住宅の庭にもあざやかなアジサイが咲いている。小さくこぎれいな和食の店の前の街路にはアジサイの花が植え込みされている。また花屋さんの店…

大隈重信演説談話集

大隈重信は早稲田大学創立者として知られているが、第8代・第17代の2度にわたる内閣総理大臣として近代日本の設計者として活躍した。今年の3月に岩波文庫から『大隈重信演説談話集』早稲田大学編が出版された。早稲田大学と並び称される私学の雄、慶応義塾大…

捨てられる銀行

かつて不良債権処理ばかり注力してきた金融庁は、猛スピードで地域金融行政の大改革に取り組もうとしている。 2015年7月、森信親氏が金融庁長官の座について以来、地方創生実行に向けて大きく舵を切った。「絶対に潰れない銀行を磨き続けることよりも、銀行…

浪曲師・玉川奈々福さん

日本の伝統芸能というと、能、歌舞伎、人形浄瑠璃、狂言、落語……など、数が多い。 世界を見渡した時に、これだけ伝統芸能の種類が多いのは日本だけ。 と、語っているのは、女性浪曲師の玉川奈々福さんである。 大学を卒業し、社会人を経験し、何気なく通った…

田中角栄論

今から15年前ぐらいであっただろうか。六本木までタクシーに乗った。その個人タクシーでは、田中角栄の演説の録音テープが流されていた。運転手さんに尋ねると、「私の友人のタクシー運転手が目白の田中邸のお抱え運転手だったんですよ。彼から田中さんのこ…

プロレスとプロレス放送

小学生から中学生のころ、テレビのプロレス放送をよく観た。力道山の記憶はかすかにあり、その後、馬場・猪木全盛の時代であった。白黒テレビで金曜日の夜8時、ディズニーのアニメ番組と日本プロレスが日本テレビで隔週で放映されていた。また試合の合間に三…

評論家の名前に値するもの

舛添都知事の話題が下火になっている中で、古市憲寿氏へのバッシングが話題になっている。党首討論の司会者としてのお粗末な態度は非難されても、社会学者としての古市氏の学者としての能力が高ければ、それはそれで評価されるべきである。 実際のところの学…

『乱れからくり』と推理力

『乱れからくり』泡坂妻夫、創元推理文庫(日本推理作家協会賞受賞作)を読んだ。 最後まで真犯人がわからない。そして最後のどんでん返し。 推理小説の書き手というのは、本当に緻密な頭脳の持ち主であると思う。 古くはコナンドイルのシャーロックホームズ…

ニコ生・党首討論にみるテレビ人の幼児化

あきれてものが言えない、とはこのことか。 ニコニコ生放送で各党党首の討論が行われた。司会の社会学者と女子アナのお粗末さは、極まれり。 昨日のエントリーでも触れたが討論になっていない。ただ各党党首が自論を述べるだけ。極め付きは司会者の小沢党首…

対話力

日曜日に、次の二つのインターネット上の対談動画を見た。 いずれも倉山満氏が大御所といわれる日下公人氏と加瀬英明氏の二人の大先輩と対談するという番組である。●6/17(金)日下公人「日本出動」第10回 ゲスト:倉山満 〜日下公人先生にお話をうかがって…

産経新聞を読んで:短期志向と長期志向

●参院選各党の公約比較 今日19日のサンケイ新聞は、6面7面で各党の参院選公約要旨を掲載している。 衆議院と違って参議院は解散というのがないので、より長期的な視点で国政を考え評価できると思う。したがって、参議院議員には、長期的な視点で日本がどうい…

川澄奈穂美選手のシアトル・レイン移籍から考えたこと

サッカー女子プレナスなでしこリーグのINAC神戸レオネッサに所属していて、女子日本代表「なでしこジャパン」でも活躍した川澄奈穂美選手が、昨日米国女子プロリーグシアトル・レインに移籍することが発表された。 川澄選手は2年前にも期限付き移籍でシアト…

若い有権者のために

選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が19日に施行される。新たな有権者にとっては、この参院選は初の国政選挙となる。 政党各党は若者との接点づくりのため、さまざまな動きを試みているようである。 さて、有権者としての先輩でもある20歳以上…

51番の約束をイチローが果たす

MLB

イチロー選手が日米通算安打記録4256本を打った。 イチロー選手は記録にも記憶にも残る選手だ。 イチローが米国に渡った2001年。 その年のMLBオールスター戦に選出されたイチローはダイヤモンドバックスのランディジョンソン投手から初安打を放った。一塁ゴ…

何が言いたいのかわからない「大機小機」

日本経済新聞の「大機小機」という囲み記事は、匿名のものであり、 かつては、新聞社外の有識者が交代で執筆していると評価も高かったが 最近のものは、何を言わんとしているのかわからない時が多い。 15日の(唯識)というペンネームの筆者。「ポピュリズム…

*[コラム]歴史を学ぶには 週刊東洋経済が「ビジネスマンのための学び直し・日本史」という特集を最新号で行っている。 http://store.toyokeizai.net/magazine/toyo/ 「経済や経営の知識ばかりではビジネスマンは通用しない。国際化時代だからこそ、日本の歴…

『成城石井の創業』日本経済新聞出版社

スーパーマーケット成城石井はローカルな食品スーパーとしてスタートしたが、現在では首都圏や関西圏で知名度の高い個性を持ったスーパーチェーンになっている。 本書は、その創業者である石井良明氏が、小田急線・成城学園前駅の駅前にあった両親の経営する…

「ゆる」と「B」批判

日本経済新聞6月12日朝刊10面に「誰でも参加「ゆるスポーツ」」という記事が出ていた。 「年齢や障害の有無に関係なく、誰でも楽しめる新しいタイプのスポーツが続々登場している。健康寿命の延伸はもちろん、スポーツ産業の活性化策としても期待を集める。……

『みんなが知らない超優良企業』講談社+α新書

著者の田宮寛之さんは、東洋経済新報社で「会社四季報」や「就職四季報」の執筆・編集にかかわってこられた。 その経験を活かし、現在と今後の日本企業の成長分野を独自の視点から整理され、具体的な事業や商品と企業名を紹介している。 著者が想定している…

テレビメディアは、いつから東スポになったのか

昨日9日の朝、インターネット放送の「虎ノ門ニュース」では、青山繁晴氏が冒頭から約1時間ほど、中国軍艦とロシア軍艦の尖閣接続水域へ入った問題を取り上げていた。情報収集のために徹夜をしたであろう、ぼーっとした顔であるが、危機感にあふれた緊張した…

[書評]ナイチンゲールと貝原益軒

3か月ほど前、右足首から甲にかけて痛みを感じ、少々歩行に困難を生じて苦しんだ。すでに日常生活に支障のないほど回復しているが、まだ若干の違和感が残っている。人は、病気やケガをしたとき、普段感じることのないさまざまなことの知るものである。たとえ…

舛添都知事問題について考える

マスコミやネットで、いやというほど取り上げられている舛添都知事問題。法的な問題はないが一部不適切との弁護士の調査にも批判の声が多い。 舛添問題に国民や都民の目が集中してしまう中で、いくつかの重要な国家的課題が見過ごされてしまう危険があること…

横浜・伊勢佐木町「大沢屋」の半チャンラーメン

昨日、伊勢佐木町を歩いた。 年に数回、所用で出かけている。 もしかしたら若い人たちはこの地名を聞いたことがないかもしれない。 ある年代以上の人にとっては、青江三奈「伊勢佐木町ブルース」を思い出すかもしれない。 同曲は1968年(昭和43年)の日本レ…

『五色の虹』三浦英之、集英社、2015年

「満州建国大学、卒業生たちの戦後」というサブタイトルがつけられた本書は、2015年第13回開高健ノンフィクション賞を受賞した作品である。 http://amazon.co.jp/dp/4087815978 かつて、中国大陸あった上海東亜同文書院やハルビン学院という日本のトップレベ…

経営トップの情報発信について

国レベルの競争において、軍事的な装備の競争と同時に情報戦が必要であることは言うまでもない。 日本はこの「情報の戦争」について、あまりに無防備であった。 企業における競争においても情報戦は重要である。 とりわけ、企業の経営トップの発する言葉は、…

米粒写経・居島一平論

漫才コンビ米粒写経(こめつぶしゃきょう)の居島一平(おりしまいっぺい)さんの存在を知ったのは平日毎朝8時から一平さんがMCを務める2時間番組「虎の門ニュース」である。 *CS番組(DHCシアター)で、現在はニコ生、YouTube,abemaTVなどのネットで無…