テレビメディアは、いつから東スポになったのか

昨日9日の朝、インターネット放送の「虎ノ門ニュース」では、青山繁晴氏が冒頭から約1時間ほど、中国軍艦とロシア軍艦の尖閣接続水域へ入った問題を取り上げていた。情報収集のために徹夜をしたであろう、ぼーっとした顔であるが、危機感にあふれた緊張した趣で解説が続いていた。
また早朝に毎日配信されている、ある有料メルマガでも、発信者は日経新聞のネットニュース記事をとりあげており、yahooニュースでもこの尖閣のニュースを取り上げていた。
早速テレビをつけてみると、NHKも民放も全く報じていない。延々と歌舞伎俳優の妻の乳がん闘病の模様を伝えている。
この状況をみて、東京スポーツのことを思い出した。1970年代のロッキード事件・田中総理逮捕のとき、東京スポーツの一面は「猪木血だるま」。昭和天皇崩御日航機墜落事故の際もプロレスニュースや芸能ニュースであったことで、ビートたけしらの漫才のネタにされていたことだ。日付以外はすべてガセネタという「高い」評価を得ている東スポの面目躍如たることだ。
どうも、マスメディアとしての地上波テレビは、この東京スポーツ並みのポジションになってしまったようである。
報道メディアとして哲学のなさ、畏れのなさ、誇りのなさ、職業意識と倫理観のなさを強く感じた。これでは東京都知事や幼稚な議員を批判する使命を担うことはできない。
メディアや政治という日本社会の根幹を担う部分の劣化は目を覆いたくなる状況だ。
現状では、インターネットメディアの中から、自らの情報を取捨選択し、自らの判断基準の強化をはかっていかなければならない時代になっている。マスメディアや政治家の大半は、信頼を完全に失ってしまった。