「週刊文春」の凋落

私は、自宅宅配で日本経済新聞を購読している。大学生の頃からだから40年にも及ぶ。惰性といえば惰性だ。ビジネスマンの多くが読む日経新聞であるが、リタイアされると日経購読をやめる人が多く、団塊の世代から下の世代の人口の多い世代が次々に退職していく時代に、日経の読者の減少がみられるのではないだろうか。わたくしは現役を続けているので、日経新聞を見ている。
私の朝は、早朝4時ごろ、自宅近くのコンビニに出かけることから始まる。そこで産経新聞を購入する。ローソン、ファミマ、100円ローソン、セブン、サークルKの各店が徒歩5分圏内にあるが、最近は、最も早い時間に新聞が店頭に並べられている店舗を選んでいる。意外にもトップスリーではないサークルKが最も早く新聞を並べている。
産経新聞を手に取るときに、読売、朝日、毎日、東京の4紙の一面トップ記事は何かをチラ見する。
産経のトップ1面は「中国軍機 空自機に攻撃動作−−東シナ海一線越す」である。このことをトップに掲げた新聞はない。だからどうだということではない。これが日本の大手新聞の現状かということである。ネット上では昨日からこの一触即発状態の情報が行きかっていたのである。
今日は、週刊文春週刊新潮の発売日である。毎週、おどろおどろしい雑誌広告が新聞の下に載せられている。週刊文春参議院候補者の青山繁晴氏を「トンデモ候補」として扱った記事。週刊新潮は英国EU離脱記事を前面に出している。
新聞も週刊誌も、どうやら現代の遺物になってしまったようである。
青山氏の週刊文春ネタはすでに、発売前からの昨日からネット上にて議論が持ち上がっており、青山氏が文芸春秋社を刑事、民事で訴える姿勢があることが明らかにされている。
かつて、毎週週刊文春を通勤時に読んでいたことがあったが、読まなくなって久しく、今朝、数年ぶりでコンビニで同誌を購入した。
人間は、得意分野で失敗をしでかすという。舛添・前東京都知事は外交という得意分野で味噌をつけた。安倍総理拉致問題解決という得意分野で味噌を付けつつある。日本共産党自衛隊違憲という得意分野で大きなダメージを受けつつある。
週刊文春は、今年に入って数々のスクープで絶頂期にあった。しかし、実力のない者は、その得意とされている分野で大きな失敗をするのである。ブーメラン・ブーメランとはしゃぐ週刊文春。今回の記事で、自らにブーメランが返ってくることが分からなかったのであろうか。
刺激的な見出しで、低俗なイエロージャーナリズムのような記事を書き続けること。それで販売部数は増えるかもしれないが、確実に信頼・信用を失っていく。
選挙が終われば、コロッと態度を変え青山ムーブメントを取り上げるに違いない。
米国のTIME、NEWSWEEK。代表的な週刊誌である。
日本の代表的週刊誌である週刊文春週刊新潮。日米の週刊誌のクオリティ、記者魂には、彼我の差がある。
紙の報道マス媒体、そこに巣食う組織ジャーナリストたちの凋落を再認識した木曜日の朝であった。