美酒早慶戦

大学時代の同級生から案内をもらい、東京・銀座で開かれた「第4回・美酒早慶戦」に参加した。
美酒早慶戦とは、早稲田大学出身と慶應義塾大学出身の蔵元が出品し、各蔵を代表する純米大吟醸酒を参加者が利き酒し、「蔵元出身大学対抗」という切り口で、勝敗を決するとともに、蔵元と参加者が交流するイベントである。
このブログで、私の出身大学のことについて記述するのは、あまり乗り気にならない。別の大学出身者の方々にとっては、面白くないと感じると思うからである。
ただし、今回は東日本大震災のこと、日本酒の将来のことがあるので、あえて書かせていただいた。
美酒早慶戦、今回は第4回であるが、私は初めて参加した。もともとは2011年の東日本だ震災への義援金を集める目的で日本酒好きの慶応大学OBが支援活動を始めようとしたときに、たまたまその仲間の早稲田大学OBと、日本酒の早慶戦をやろうかということで始まった会である。
飛び石連休の初日の昼下がり、新橋駅から会場となった銀座のコートヤード・マリオット銀座東武ホテルに向かって歩いて行った。土曜日の昼、銀座通りを歩くと、中国語の会話とともに、アジア圏の観光客の一団が歩いてくる。もはや、日常となった銀座の風景である。
東武ホテルでの美酒早慶戦。もともと銀座は慶応大学のテリトリーである。早稲田が新宿であるのに対して。
銀ブラ」という言葉は、銀座をぶらぶら歩くという意味でなく、慶應大学の学生が三田から銀座のブラジル珈琲の店までやってくるということから「銀ブラ」となったという説もあるほど、銀座は慶応出身者の「こころの故郷(?)」でもある。
慶應大学卒で元・日本テレビフリーアナウンサー魚住りえさんの司会で第4回美酒早慶戦は始まった。参加した酒蔵は64。百数十名の参加者は、その64の酒蔵がそれぞれ出品した純米大吟醸の一本を試飲しながら、1位から3位の三つのブランドを投票する。その集計により上位3位までの個別の酒蔵が選ばれると同時に、団体戦として早稲田出身酒蔵と慶應出身酒蔵のトータルでの勝負が決まるのである。過去3回は団体戦では慶應大学出身酒蔵が2勝1敗となっている。


64の酒蔵の酒をちびりちびりと試飲していく。約1時間の時間枠の中で、すべてを試し、正確に採点することは、実質上不可能である。途中で私も酔っぱらってくる。実際に味を確かめたのは半数の30蔵ぐらいであろうか。
百数十名のほぼ早慶卒業生半数ずつの採点得票の結果、個別酒蔵では次のような結果になった。
1位 獺祭:    旭酒造   山口県 早稲田蔵
2位 まんさくの花:日の丸酒造 秋田県 慶應
3位 一路:    出羽桜   山形県 早稲田蔵
団体戦は僅差で「早稲田」が勝ち、通算成績2勝2敗とした。
獺祭(だっさい)は無敵である。
私も個人的に日本酒ナンバーワンはと、問われれば獺祭と答える。
現在の旭酒造の社長である桜井博志氏は松山商科大学出身であるが、後継者のご子息・桜井一宏氏は1976年生まれの早稲田大学出身である。23日に結婚式を控えているとのことで、ご本人の出席はかなわなかったが、現社長が出席され、参加者との記念写真撮影の目玉になっていた。
あの、スコットランド独立で話題になったスコッチウイスキー、フランスを中心とするワイン、そして日本の「酒(SAKE)」が世界を代表する「酒」である。
日本酒の地酒メーカーには、これからも地道な品質向上の努力を続けてもらい、世界に日本酒の良さを発信してもらいたいものである。