若い有権者のために

選挙権年齢を18歳以上に引き下げる改正公職選挙法が19日に施行される。新たな有権者にとっては、この参院選は初の国政選挙となる。
政党各党は若者との接点づくりのため、さまざまな動きを試みているようである。
さて、有権者としての先輩でもある20歳以上の国民は、胸を張って新しい有権者にメッセージを送ることができるのであろうか。20代の先輩有権者はおろか、60代・70代という国民の大先輩ですら、政治ということについて知識も意識も乏しいのではないかと思う。それは自らの反省も込めてでのことである。
・デモクラシーとは何か
リンカーンの演説の意味は何か
・総理大臣と大統領の違いは何か
衆議院選挙と参議院の選挙の違いは何か
・マスメディアの役割とは何か
・政党の役割とは何か
・公共ということの意味は何か
憲法とは何か
・皇室と政治の関係とは何か
という質問に対して、どれだけ適切な回答をすることができるだろうか。
なかなか難しい。
こうした基本の事項についてあいままなまま、国民は投票行動で政治参加しているのである。この選挙権年齢の引き下げを機会に、国民全員が政治の基本を知ることが必要だろう。
『若い有権者のための政治入門』藤井厳喜 2016 勉誠出版は、政治の再入門書として頭の整理をすることができる。
表層的な議論に終始してしまうマスメディアの状況。
民共通の基盤を固めたうえで、深い内容の議論が行われることを希望する。情報伝達手段としてのテレビメディアとネットメディアを比較すると、どうもテレビ放送には大きな問題が存在しているように思う。それは考えを伝達していくには、長い時間が必要で、残念ながらテレビメディアでは、そうしたことがしたくてもできないということがある。