クラウド化と情報一元化

オリックスが会計ソフト大手の弥生を買収ると発表した。弥生はシェア8割とはいうものの、DVDという箱販売ベースでのことで、会計ソフトのクラウド化が課題である。
弥生の主要顧客は小規模企業で、オリックスとしてはこの顧客層に向けたワンストップサービスをめざすものと思われる。
小規模企業は334万社で全企業数の86.5%を占める。小規模企業は地方創生の担い手であり、今までの公的支援中心でなく民間による支援で活性化することはよいことだ。しかし、一方でこの小規模企業の情報がクラウド化やワンストップサービスの動きの中で特定企業グループに一元化されるのではないかという恐れもふとよぎってしまう。便利さの裏にはリスクもあることを知っておく必要があるだろう。
(注)小規模企業とは常用雇用者20人以下(卸売業、小売業、飲食店、サービス業(宿泊業、娯楽業を除く)は5人以下)の企業のこと。(中小企業庁

中小企業白書〈2014年版〉

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