何が言いたいのかわからない「大機小機」

日本経済新聞の「大機小機」という囲み記事は、匿名のものであり、
かつては、新聞社外の有識者が交代で執筆していると評価も高かったが
最近のものは、何を言わんとしているのかわからない時が多い。
15日の(唯識)というペンネームの筆者。「ポピュリズムの時代」という
テーマで、消費税増税延期やヒラリー候補のTPP反対論を選挙目当ての
大衆迎合だとしている。
それはそれで異論はあるが、筆者は中国の南沙諸島尖閣諸島への軍艦派遣を
中国国内のネット世論を気にするポピュリズムの可能性があると
指摘している。そして最後にマスコミの重要性で結んでいる。
マスコミの常とう手段は、ある時は、国民の民意だからといい、ある時は、ポピュリズムに気を付けろという。
その仕組みを批判するだけで、自らの判断を示さなかったり、後ろに隠したりする。
この(唯識)氏こそ、自らが批判されている対象なのではないか。
素直に、意見を述べられたら良いのではと思う。
せっかく匿名で発言の機会を与えられているのであるから、それこそ新聞マスコミや世論に迎合しない確固たる論を述べてほしいものだ。
傍観者のような評論は聞きたくない。
また、同紙の囲み記事「記者手帳」の「お土産売れ筋、世相映す」の記事も、大事な紙面を使うに値する記事かどうか疑問である。
議員会館売店で販売されている「新・三本の矢」巻きせんべい、舛添知事の「東京世界一。まんじゅう」の面白おかしい話題を扱った記事である。
もう、国会見学や議員会館訪問の際の「お土産お菓子」を、ユーモア感覚で取り上げる時代ではない。そうしたものをありがたがる風潮を徹底して批判するのならともかく、同じ軽薄な風潮と同じ土俵で記事を書いているように思える。
「国会土産のお菓子の売れ行きなど、まったく世相を映していない。」と主張したい。政治記事の中のオアシス的な記事とはいえ、記事執筆者の時代感覚のなさには、あきれるばかりである。