THE AGE OF DISCONTINUITY 断絶の時代

イノベーションが求められている時代。イノベーションとは何か。イノベーションとは”Discontinuity"だと思う。ピーター・ドラッカーが1969年に著わしたTHE AGE OF DISCONTINUITYは、林雄二郎氏の翻訳本では「断絶の時代」という刺激的なタイトルで昭和44年に出版された。
ドラッカー名著集7 断絶の時代ドラッカーはその序では、本書を次のように位置づけている。

まだはっきりと現れていないが非連続が、経済、政治および社会の構造と意識を変革しつつあるということをそうきに知らせようというのが、本書のねらいである。

このドラッカーの著作は数年に一度ずつ読み返している。約40年前の著作でありながら、いつも刺激を感じる私の愛読書だ。
同書の日本の読書へ向けた一文で次のようにドラッカーは語る。

「どうしてあなたは本書の中でそんなに日本のことをとりあげているのですか。どうしてあなたはあらゆる機会をとらえて明治史を書こうとしているのですか。」これが最初に原稿を読んだ出版社の編集長が発したコメントであった。

これに対して、ドラッカーは答える。

世界の近代史上、日本が明治維新と過去20年間になし遂げた激しい転換ほど偉大で、意義深い非連続はなかった。社会における非連続を理解しようと欲する人はだれでも、明治初期になし遂げたものはなにか、そして現代の日本がなし遂げたものは何か、ということを理解すべく努力する必要がある。

と。
イノベーションを考える際に日本の明治維新や戦後復興は重要な歴史的材料になりうる。それが今は亡きドラッカーの言葉だ。明治維新、戦後復興につづく、第三の日本発イノベーションを世界に示していきたいものだ。