第三の男(The Third Man)

モノクロ映画の不朽の名作といわれる「第三の男」をDVDで観た。第二次大戦直後のオーストリア・ウィーンを舞台に、オーソンウェルズの存在感が光る。映画評論家の方々などは、この第三の男をベストの作品として評価することが多いが、私の場合は、必ずしもベストには押せない。オーソンウェルズ作品なら「市民ケーン」のほうがインパクトが大きかった。DVD>第三の男 (COSMIC PICTURES 25)
とはいえ、暗い夜の街を描き出すカメラワークやラストシーンなどは圧巻だし、何より全編を通じて流れるチターの音色は有名だ。(思わずエビスビールが飲みたくなる?)
戦後直後のヨーロッパの深い闇、その中で一人一人暮らす市民の強さと弱さが、モノクロの画面から浮き上がってくる。ペニシリンが重要な役割を果たすという「医療」映画でもある。この部分は、あまり話題にされることがないが、何か現代的なにおいが漂ようのは私だけであろうか。病院のシーンも登場するが、なぜかこの医療がサブテーマになっていることに恐怖を感じた。今の時代、世界的な伝染病が注目を集めている。第三の男を見て、この現代の動きの裏側に、これをビジネスとしてしまう闇が潜んでいるのではないかと妄想してしまった。
それにしても、ウィーン(ヴィエナvienna)の街の音楽にあふれた華やいだ雰囲気は、この映画にはなく、すべて暗黒の時代のように描かれている。戦争のなせるわざだ。
DVDなので、またもう一度観てみよう。