51番の約束をイチローが果たす

イチロー選手が日米通算安打記録4256本を打った。
イチロー選手は記録にも記憶にも残る選手だ。
イチローが米国に渡った2001年。
その年のMLBオールスター戦に選出されたイチローダイヤモンドバックスのランディジョンソン投手から初安打を放った。一塁ゴロでギリギリのセーフ。イチローらしい安打であった。
記録となった4256本目も、同じ一塁前へのあたりそこねでのヒット。
15年を経ても、同じというところにイチローのすごさを感じる。
イチローが米国に渡った年。
2001年のオールスターゲームのテレビ放映。今でも鮮明に覚えている。
あれは日本時間で午前8時頃であったと思う。わたくしはたまたま関西に出張していて、ホテルの客室のテレビで試合を見ていた。もう出かけなければならないギリギリの時間。イチローのヒットを見て、いそいで客室を出たのを思い出す。
ダイヤモンドバックスの長身投手ランディジョンソンの背番号は51、対する打者イチローの背番号も51である。ランディジョンソンはかつてシアトル・マリナーズに在籍し、その時の背番号51番をジョンソンからイチローが引き継いだのである。イチローはジョンソンに「この番号に恥じないようにする」と語ったということで、当時話題になった。
そして15年がたった。イチローはジョンソンへの約束を守った。
イチローはチームは変わったが、今日もマイアミ・マーリンズで51を背にしている。
MLBの記録にも記憶にも残る選手にイチローはなった。
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*わたくしの心に残るイチローの名言*

○壁というのは、
できる人にしかやってこない。
超えられる可能性がある人にしかやってこない。
だから、壁がある時は
チャンスだと思っている。

○少しずつ前に進んでいるという感覚は、
人間としてすごく大事。

○メジャーリーガーの凄いところは、
一度「あ、すごい選手だ」と認めたら、
2,500本もヒットを打っている選手でも聞きに来ます。
それが偉大な点ですね。

○成績は出ているから今の自分でいいんだ、
という評価を自分でしてしまっていたら、
今の自分はない。

○びっくりするような好プレイが、
勝ちに結びつくことは少ないです。
確実にこなさないといけないプレイを
確実にこなせるチームは強いと思います。

○自分が全く予想しない球が
来たときにどう対応するか。
それが大事です。
試合では打ちたい球は来ない。
好きな球を待っていたのでは
終わってしまいます。
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長きにわたり大きなケガもなく、日々のルーティンをイチローはこなし成果を出し続ける。正確に時間管理される我が国の新幹線の運行のようである。
ルーティンが行われているかどうかをチェックするのは、どんな仕事でも基本中の基本である。この心構えを失ったとき、日本は日本でなくなる。
多くのことをイチロー選手は教えてくれる。
そして、イチローの伝統を受け継ぐ大選手の登場が待たれるところである。