イチローの言行一致

WBC韓国戦でイチローにヒットが出て、日本がコールド勝ちした。ここ数試合の打線のつながりの悪さをイチローが先頭でヒットを打ってくれたことで払しょくをしてくれた。圧倒的な点差で韓国を破ったことでファンも選手も溜飲を下げたことになる。イチロー 262のメッセージ
ここであらためて、『夢をつかむイチロー262のメッセージ』2005(ぴあ)のページをめくってみた。これを読むと、さすがイチローと、あらためて思わせてくれる。長い歴史の中で世界の多くの哲人は、多くの言行録を残してくれたが、現実に目の前で成果を示してくれて、かつ味わい深い名言を残してくれる哲人は、いまのところイチローをおいていない、といったらほめ過ぎだろうか。

 4.現役中に、過去のことを懐かしんではいけません。
 7.このことは、まだ目標というよりは夢ですが、これがだんだん近づいてくると、目標に変わってきます。
26.進化するときというのは、形はあんまり変わりません。だけど、見えないところが変わっています。それがほんとうの進化じゃないですか。
28.自分のプレイに驚きはありません。プレイそのものは自分の力の範囲内です。第三者からこれだけの評価を受けたことに驚いています。
35.勝負の場で力の差を見せつけるのがいちばんです。野球に限らず何でも実力の差を見せてしまえばいいと思います。
44.誰かを勇気づけようとしたのでもなく、自分を満足させようとした結果、世の中の人に、なにかを感じてもらえて、たのしんでもらえたわけです。
49.ミスショットの原因は気持ちの中にあると思っていたのです。だけど違っていました。技術によるものでした。
60.自分の器が広がっているとは感じていません。自分の能力をどれくらい発揮できるかが変わったと思います。
75.勝ちパターンにはまらないと勝てないチームには限界があります。いろいろな場面や展開に対応できればチームとしての幅が広がります。
88.準備に集中することができました。それがすべてだと思います。
99.手入れをしたグラブで練習をしたことは、体に、かならず残ります。記憶が体に残ってゆきます。
147.ヒットが出ない試合が続いていて、次の試合の1打席目でもヒットが出ないと、今日もダメかと思ってしまう人が多いと思います。でもそこが大事。きっかけをつかむために、次の打席も集中する自分でないと、まずいですね。
157.監督がメディアに選手の愚痴をいいはじめると、チームはあっけなく崩れるものなのです。監督、コーチと選手たちとの間の信頼関係が一気に失われちゃうのです。
170.パワーは要らないと思います。それより大事なのは、自分の「形」を持っていないといけないということです。
180.いい記者になるためには、質問は、自分で考えなければいけません。人はみんなそう成長するのですから。いい質問だけにしてください。
243.数字が出ていたことは、救いでもありました。数字がいいことで、みなさんの目をだますことができましたから。
261.考えて「実行してみせてやること」の効果は大きいです。

(注)番号は同書におけるメッセージの番号