岩淵真奈、渾身のシュート

アルガルベカップ第2戦、なでしこジャパンは岩淵真奈の渾身のシュートであげた1点を守り、デンマークに勝利した。次はアメリカを破ったスウェーデンとの第3戦。なでしこの真価が問われる試合となるだろう。
デンマーク戦ではフォワードの岩淵の動きが目立っていた。小さな体、あどけない笑顔、まだ20歳という若きストライカーの動きは、チームを引っ張る迫力を感じた。
ロンドン五輪、決勝戦でのアメリカとの戦いで活躍しながらもゴールを決められなかった悔しさ。当時、試合後のインタビューで、「はやく練習をしたい」と語った言葉から、彼女の悔しさが伝わってきた。その悔しさが今回の久しぶりのなでしこJスタメンでの活躍に成果としてつながった。

試合後の佐々木監督のコメントでは、岩淵には「積極的に攻撃を仕掛けろ」と伝えて送り出したという。この監督の指示を岩淵選手は忠実に守ったのであろう。
サッカーは個人としての力とチームプレーが合わさったものであり、世の中のすべての組織に共通する成功の方程式が適用される。監督の意図が、チームのメンバーひとりひとりに浸透することが勝利の条件である。
チームキャプテン宮間あやは、自分の役割はチーム一人一人が力を発揮できるようにすることだと試合後に語った。宮間はさらに、所属している湯郷ベルのチームメイトで守護神である福元が、宮間がどんなに疲れているときも福元がトレーニングを一緒にしてくれたことが支えになっていると同僚を慮っている。
カップ第一戦、海堀、福元につぐ第三番手の若手である山根が、先発ゴールキーパーを任されたが思わぬ失策を演じてしまい失点をした試合の終了後、宮間は山根に声をかけ、このミスを次の試合につなげなければならないと語ったという。
リーダーの役割というのは、チームに失敗があったとき、なぜいけなかったのかを全員で考え、決して失敗した個人のプライドを傷つけないことだ。
犯人捜しなどしているような組織には未来はない。
いずれにしても、女子サッカーチーム、なでしこジャパンは観戦するものを明るくし、勇気づけ、さまざまな教訓を与えてくれる。
次に戦うスウェーデンの監督は、スタンダーゲ。あの2011ワールドカップで米国を率い、なでしこJと死闘を演じ、翌年のロンドン五輪では再び決勝でなでしこJと雌雄を決して破り、米国チームを金メダルに導いた女性監督である。今は母国であるスウェーデンチームを率いている。日本時間で10日(月)深夜に行われるスウェーデンと日本との戦いは見逃せない。
(画像)なでしこジャパンFaceBookより
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