10月22日投票の総選挙

10月22日投票の総選挙の喧騒の中で繰り広げられる人間模様から感じたこと。
菜根譚」の名言と関連付けて。
●偏りを戒める
理想は高く持とう。しかし現実を無視するな。
思考は綿密にしよう。しかし些末なことにこだわるな。
●理想の味わい
潔癖ではあるが、包容力がある。
人情がこまやかだが、決断力がある。
聡明ではあるが、あらさがしはしない。
一本気ではあるが、無鉄砲ではない。
●貧しさのなかの気品
あばら屋の庭も掃き清められ、
貧しい娘も髪をきちんととかしていれば、
つつましいうちに趣があるものだ。
人として、たとえ恵まれぬときがあろうとも、
ヤケを起こして自堕落になりたくはないものだ。
●日頃の心がけ
ひまだからといって、無駄に日を送ることがなければ、
その効用は忙しいときに現れてくる。
人目の届かぬところで良心を偽らなければ、
その効用は公の場に現れてくる。
●心の迷いを見のがすな
自分の気持ちが私利私欲に動かされそうだと
気づいたならば、すぐにそれを反省して、
正しい道に引きもどそう。
そのことが、禍を福に、死を生に転化させるカギである。
決してこれを軽く見て放置してはならない。
(参考資料)『菜根譚』(現代人の古典シリーズ)洪自誠(著)、神子侃吉田豊(訳)
徳間書店 1965年を参考に一部、筆者意訳。

鉄腕アトム

先日の投稿で、米国大統領選の各候補のキャンペーンソングの話題について紹介した。
歴史に残る映画には、スクリーンミュージックの名曲がついている。
テレビ番組も、人気番組は必ずテーマ曲も名曲である。
日本の国産テレビアニメの走りとなった「鉄腕アトム」。
昭和38年から41年までフジテレビで放映された。
この鉄腕アトムの主題歌は、ある年齢以上の日本人の誰でも知っている。
https://www.youtube.com/watch?v=KGq6z1mEU9Q
https://www.youtube.com/watch?v=SSbaZuTW1Q0 歌詞付き
https://www.youtube.com/watch?v=gJMnNScrnTw 第一話英語字幕付き

この軽快なテンポの曲。
作曲は益田克幸さんという。
この益田さんは、私の母校の高校の先輩である。
益田さんは、母校の応援歌の一つである「冠たる伝統」(昭和22年作)という母校卒業生にはなじみのある曲の作曲をされている。三井物産創始者である益田孝氏のご子孫でもある。

世界に誇る日本のアニメ文化の祖とも言うべき手塚治虫作の鉄腕アトム
そのテレビ放送の第一話は、アトムの誕生について描いている。
小さな子供が自動車の運転をしている。今日話題の自動運転を予言している。
救急車による交通事故の担架救助は人間でなくロボットが行っている。今話題の介護ロボットを予言している。

アトムの能力(七つの威力)は、
1.どんな計算も1秒でできる電子頭脳。
2.60か国語を話せる人工声帯。
3.普通の1000倍も聞こえる聴力。2000万ヘルツの超音波を聞き取ることも出来る。
4.サーチライトの目。
5.10万馬力の原子力モーター。
・・・・・・
そこには、人工知能やコンピュータ、原子力の能力が詰まっている。

まもなく、スウェーデンノーベル賞授賞式が行われる。
ここ数年、日本の科学者が授賞を重ねている。
この日本の科学者たちも鉄腕アトムを子供の頃見て科学者を目指したのだろう。

鉄腕アトムの主題歌は学生野球の応援歌にも受け継がれている。
アニメの一作が、日本を世界を変えていく。
これから子供たちは何を見て未来を築いていくのだろうか。

六大学野球応援歌> 
東京大学 チャンス応援歌  ビクトリーマーチ
https://www.youtube.com/watch?v=SDOjx6sOX7E
立教大学 立教アトム
https://www.youtube.com/watch?v=74O5y325By8

足元の宇宙

雪の日の昨日、書店で本を探していたら、後ろのほうからお客さんと書店員の声が聞こえてきた。
お客さん「雑草についての絵本のような本、ありますか?」
書店員 「書籍名や著者名わかりますか?」
お客さん「この人の本です。」
書店員 「ずいぶん古い本ですね。少々お待ちください。調べてまいります。」
やがて、中年の男性らしいお客さんは、携帯電話で、どうやら奥様らしい方とその本について話し始めた。
やがて、書店員が戻ってきた。
「すみません。在庫がございません。ご注文いただくことは可能ですが、2週間ほどかかります。」
お客さん「そうですか。ありがとうございました。他を探してみます。」

時々、amazonの販売ランキングを見ている。
世の中の動きを知る一つの指標になるからだ。
最近では、すべての書籍の総合順位の上位に来ているのは、やせるための食事とか、レンジでチンできるおかずとか家庭料理に関するものが多い。驚いたのは、その下あたりに、あの雑草についての絵本が数点、並んでいるのである。
著者は甲斐伸枝とある。
「ざっそう」「雑草のくらし」「たねがとぶ」「稲と日本人」・・・などの数々の絵本の著者である。
いずれも1980年代に発刊された古い本だ。書店に在庫がないのも当然だ。
しかし、なぜamazonランキングの上位に来ているのだろうか。amazonの個別の本で調べてみると、
いずれも在庫がない状態になっている。入荷待ち状態だ。書評のコメントをみても最近のものはない。
なぜか疑問がわいてきたので検索で調べてみた。
そうか、NHKのテレビで23日の休日の夜に
「足元の小宇宙:“雑草“が教えてくれたすてきな世界」
という番組を放映したのが原因だ。
http://www.nhk.or.jp/docud…/program/3035/2345010/index.html…

雑草だらけの荒れ果てた田畑も85歳の現役絵本作家の甲斐さんにとっては自然の不思議や美しさに出会える貴重な場所といえる。
農作物にとってはやっかいな雑草でお、一つ一つに名前があり、命の輝きがある。
雑草の荒れ地にうつぶせになって、同じ目線で草花を見つめる甲斐さんの視線の先に映るものは・・・。

多くの工業製品に囲まれ、作られた映像や情報を消費する現代人。
しかし、ふと足元をみれば、そこに小宇宙ともいえる神秘な世界が広がっている。
われわれは、その植物や昆虫について何も知識を持ち合わせていないことを悟るのである。

昨日の本FBエントリーで触れたように人間もビジネスも社会も螺旋階段を上るように成長していくはずなのだが、多くの現代人、多くの大人たちは直線的に成長するものと思い込んでいたのかもしれない。
そうではないことを85歳の甲斐さんや、純粋な子供たちから教わらなければならない。
草花にも神は宿るという日本の古神道の伝統を思い出したりもする。
先日紹介した竹内睦泰さんの著書「古事記の宇宙」。甲斐伸枝さんの「足元の宇宙」。
直線から螺旋へのシフトが日本でも世界でも起きつつあること実感する。

フィンテック

首都圏地域は雪になるかもという天気予報となっている。
わが国では四季があり、春夏秋冬と季節がうつろいながら、また新しい年を迎えていく。
銀杏並木の落ち葉が鮮やかな秋から冬の季節。しかし今年の秋から冬は、昨年の同じ季節とは異なる。
一年一年新たなに年を刻んでいく。
ビジネスや政治の世界も、あたかも螺旋状に発展をしていく。
最近話題のフィンテック
金融と技術を組み合わせた造語である。
今、既存の金融業が分解をしアンバンドリング(分解)によりフィンテクベンチャーが生まれている。
今後は、この振り子がまた揺り戻し、リバンドリング(結合)により新たな金融メガ企業の登場も予測される。
コンピュータの世界も集中と分散の歴史をたどってきた。
メインフレームからクライアントサーバへ、そしてクラウドサービスへ。
アマゾンは集中化が進行中だが、一方でUberなどのシェアリング・分散化の動きもみられる。
今後はAI(人工知能)の進化の影響があらゆる産業に及ぶことだろう。
螺旋状の動きというのは、二つの動きに分解される。
・右から左へ、そしてまた右へという左右の動き
・下から上への上昇の動きである。
螺旋階段の動きは上から見れば同じところをぐるぐる回っているように見えても、
横から見れば右へ左へと移動しつつ、上へ上へと昇っていく。
フィンテックやコンピュータの世界だけでなく身近な生活の場面でも螺旋状の動きが
知らず知らずのうちに起こっている。
クールジャパン。日本を見直そうという動きもその一つである。
ひたすら西洋を見習うところから、あらためて日本の良き伝統に注目しようという動きである。
政治の世界でも保守からリベラルへ、そしてまた保守へと移っていく。
ヘーゲルの言う「弁証法」の世界が生きている。
過去のものが復活するのであるが、その復活の際は必ず新たな「価値」が付与されている。
こうした螺旋活動を予測するには、
「新しいもの」を「古い眼鏡」で観るのではなく、
「新しいもの」を「新しい眼鏡」で、
「古いもの」を「新しい眼鏡」で
観るようにすべきであろう。

グーグルを驚愕させた日本人の知らない日本企業

南スーダンへの自衛隊PKO部隊派遣をめぐっては、国会やメディアで大きく取り上げられましたが、ことの本質を論じるというより、日本国内の与野党間での政治的批判合戦に終始していたように思います。
その証拠に、すでに派遣が行われてしまうと、メディアでもパタッと報道がなくなりました。南スーダンがどのような状況にあるのか以前に、日本人にとってアフリカというのは遠い国で、ほとんど関心を寄せる人も少なく、話題に上るのはマラソンやサッカーでのアフリカ諸国の活躍の時ぐらいでしょう。
さて、今回は南スーダンPKOの話ではありません。グーグルを驚愕させた日本人の知らない日本企業の話です。
インターネットのサイトページビューで、ジンバブエで7位、ザンビアやマラウィで8位などアフリカ諸国で圧倒的な人気を誇るインターネットサイトが実は日本にあります。
アフリカや新興国のサイトでも、トップ10はフェイスブック、グーグル、ヤフー、ユーチューブなど有名な検索サイトやソーシャルメディアです。
しかし、その中に「ビィ・フォアード」という日本企業のサイトがあります。おそらく日本人でも誰も知らないでしょう。
アメリカのグーグル本社で2014年の春に、いつも役員会議で話題にのぼり、とうとうグーグルの副社長自らが来日して、日本の調布市に本社がある「ビィ・フォアード」にやってきたといいます。
ビィ・フォアード社は社員173名のECサイト運営会社で、扱い商品は中古車と自動車部品で、売り先は日本を除く世界という会社です。
顧客の7割は個人客だといいます。日産のカーディーラー、中古車買取業を経て現在社長を務める著者が書かれたのが、

『グーグルを驚愕させた日本人の知らない日本企業』山川博功、講談社+α新書、2016年11月刊。

アフリカをはじめとする新興諸国へ向けた事業展開の軌跡が面白く語られています。
ビィ・フォアードという社名。明治大学出身の社長は、明大ラグビー部の北島監督のファンで、同監督が生涯いい続けた「前へ」という言葉をお借りしたとのことです。小器用にたちまわるのでなく、愚直に前を目指す。正攻法で成功をつかむという思いが込めらています。
著者の山川さんの遠大な夢とは「新興国・途上国アマゾン」を目指すということです。中古車に限らず、パソコンでも文具でも新興諸国に提供していきたい。そのために現在はアフリカに物流施設の構築を進めているとのこと。
マラウイではビィ・フォアード・ワンダラーズというプロサッカーチームを持ち、アフリカで絶大な知名度をほこっています。
ビィ・フォアードのステッカーを付けた日本の中古車に乗ることが、ステイタスシンボルになっている。
社長は本書の最後にこう結びます。
少子高齢化の日本には未来がないと嘆くすべての皆さまに、ビィ・フォアードと呼びかけたいと思います。」

Hillbilly,カントリーミュージックと米国大統領選

●あいかわらず表面をなぞるだけのメディアの解説
すでに米国大統領選も終了から2週間がたとうとしている。
メディアでもトランプ現象と呼ばれる今回の結果の分析解釈を識者と言われる人々が行っている。
もちろん、すべてをカバーできるわけでもなく専門家でもないので普段チェックをする媒体を中心に眺めてみた。
それ以外にも、ここ10年か20年見ることのなかった日曜日の朝のNHKのテレビ討論なども、ものはためしと眺めてみた。
いずれも、表面的なお行儀のよい薄っぺらな評論ばかりである。頼みの綱は、ネット番組の討論や対談、論説だ。
虎ノ門ニュースで人気のある「DHCシアター」、老舗の「日本文化チャンネル桜
しかし、これらもすでに現代では陳腐化しつつある。
以前6月23日や7月14日でとりあげた佐藤健志さんの論説にも期待したが、いつもの鋭さが見られなかった。
藤井厳喜さんや江崎道朗さん、渡瀬裕弥さんの解説は、すでに選挙前に知っているのでたな情報は少ない。
●音楽ライター・川崎大介さんに注目
しかし、ネット上の論説で面白い視点の意見を見つけた。
音楽ライターで小説家の川崎大介さんである。今回その存在を初めて知った。
「日本人がまったく知らないアメリカの「負け犬白人」たち(トランプ勝利を導いたメンタリティ)」というネット上での論考は米国の音楽、映画の動向を探りながら、過去から今回に至る米国大統領選の中に見える米国の人々の心の奥底に潜む心情を探り出している。今、日本のメディアで語られるのは表面的な政治の視点であるが、川崎さんはその政治を生み出す国民の心情、そして大統領候補がいかにこの国民の心をとらえようと努力してかの選挙の裏側を見事に描き出している。それも音楽という視点から。
Hillbillyと呼ばれる白人層。もともとは山に住む白人という意味。川崎さんは、川崎さんによれば日本でいえば「田舎っぺ」「どん百姓」という人々だという。
この人々の強い支持を得ている音楽がカントリー・ミュージックである。アメリカの音楽業界の中心を支えているのが、このカントリーである。
もちろん日本でもジョンデンバーの「カントリーロード」など、人気があるが本場アメリカでは日本人が想像する以上にカントリーが人々の生活や人生に寄り添ってきたという。
たとえば、ガース・ブルックス。アルバム売上ではソロ歌手では米国市場最強で、エルヴィスもマイケルジャクソンも及ばない。米国国内だけで1億3800万枚の販売実績がある。
ショウビズ界はみんな反トランプだという報道は間違っていると川崎さんは言う。
カントリー界の女帝といわれるロレッタ・リン。日本でいえば美空ひばり中島みゆきを合体させたような生きる伝説。
彼女は、コンサートの最後で、かならずトランプ支持を訴えたという。
川崎さんは、大統領選のさなかの今年4月にも音楽の視点から各候補の特徴を語っている。
大統領選にはキャンペーンソングがつきものだ。
キャンペーンというと宣伝という意味にとらえられるが、もともとキャンペーンとは選挙活動そのものの意味である。
トランプはニールヤングなどの曲を演説会場で流し、アーチストから批判を受けたが、その批判で騒ぎを起こすこと自体で話題をさらったという。
バーニーサンダースが採用したサイモン&ガールファンクルの「アメリカ」は技ありの選曲と評価し、ヒラリーは「ポップ界の一流品図鑑の顔ぶれ」を集めたと評している。
杓子定規に政治分析をすることも大事だが、こうした川崎さんのような音楽視点から現代のアメリカの現状を探るというのは、大変興味深い。
日本人にとってアメリカは遠くて近い国。もっともなじみのある国であるが、意外とアメリカ人の心の奥底に潜むものまで知っていない。
最後に、川崎さんは締めくくっている。
「日本版のトランプなんて、明日にでも登場してくるだろう。いや、もうすでにいたのかもしれない。レザーフェイスだって、もういるのかもしれない。ずっと前から、あなたや僕のすぐ近くに。」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50253
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/48314

湘南乃海

「湘南乃海」といっても季節外れの湘南の海に出かけたわけではない。
「湘南乃海」は、大相撲・高田川部屋(元関脇・安芸乃島)の幕下力士である。
九州場所は3勝1敗と調子が良い。
私自身が神奈川県出身であるので、どうしても地元出身力士を応援したくなる。
「湘南乃海」は、本名は谷松将人。大磯中学出身で、中学卒業後に角界入りしたまだ18歳の若者である。
筋肉質の千代の富士の活躍をビデオで見て、相撲に目覚めたという。
190センチを超す恵まれた体格で、将来が楽しみだ。
http://www.takadagawa.com/rikishi/index.html
twitterでも発信しているが、さすがに伸び盛りで大事な時期だけに、更新の間隔は空いている。
twitter上では、湘南の鎌倉や江ノ島の写真を紹介してくれている。
テレビ画面での表情やしぐさ、twitterのわずかな情報を見ると、性格もよさそうだし、頭もよさそうなので、
関取に上がったら、人気力士になる可能性が高い。
幕内力士でいえば遠藤のようなイメージだろうか。
関取になるのは時間の問題だろう。まだ若いので、あせらずに着実に力を付けていってほしいものだ。