物いえば唇寒し秋の風

kohnoken2005-09-12

物いえば唇寒し秋の風

有名な松尾芭蕉の句だ。
人と話していると、ついつい余計なことまでしゃべってしまうことがある。この句は、そのしゃべった後の苦い後悔を、秋風に吹かれる唇の寒々とした感覚のようだとして詠んだものである。
思わぬ一言が人を傷つけてしまったり、余計なことをしゃべったばっかりに誤解を生んでしまうということはよくあることだ。人は間違いを犯す。それが人間の魅力だろう。問題は、しまったな、と思ったら反省をすることだと思う。唇が寒いと感じる気持ちが大事なのだと思う。
秋風というのは夏から冬への季節の変化を示すものだ。時の移り行き、人の世、人の心の移り行き感じさせるものだ。
今回の総選挙はその期間中から秋風を感じていた国民が多かっただろう。時代が静かに変わるということを。
もしかしたら、冬の時代を迎えることになるかもしれない。しかし、次に春を迎えるという確信があれば、冬を越すこともできる。なんたって人生いろいろだから。