整理と整頓

経営コンサルティングの現場や社員・職員研修の場で、「整理・整頓の意味は何か?」ということを質問してみると、誰も正確に答えられない。
・整理とは、いらないものを捨てること。
・整頓とは、整理の結果残ったものを使いやすく並べ替えることである。
もともとは、製造業や流通業の現場で行われてきた5S活動の二つのSである(残り三つは清掃、清潔、躾)。
整理と整頓をまとめて表現すれば「片づける」ということになるだろう。普段何気なく使っている言葉も、深い意味がある。
コンビニエンスストアセブンイレブンが明日の11月20日で40周年を迎える。1973年に米国のサウスランド社とライセンス契約を行い、翌年の1974年5月に東京の豊洲に第一号店が開店する。だれもがその将来を危ぶんだコンビニエンスストアという小売業態は、またたく間に日本全国を席巻し、セブンイレブンは国内で16,000店、世界で5万店を超える小売業に育った。
「整理・整頓」を繰り返すのがコンビニの店舗である。限られたスペースの中で、容赦なく死筋商品はカットされ、次代の商品が追加され、顧客の選びやすさ、買いやすさ、店舗スタッフの仕事のしやすさを考慮して、売場やバックヤードが「片づけ」られていく。
その中で雑誌・書籍売場は食品・飲料や雑貨と並ぶコンビニの大きな柱になってきた。

今朝、まだ夜が明けきらない頃、セブンイレブンの店を覗くと店舗スタッフが店内の片づけ作業に励む横に「トヨタの片づけ」という図解本が置かれている。日経新聞の今日の書籍広告にも掲載されていた。
「現場は毎日、変化させないといけない」これは、トヨタで永年引き継がれてきた「トヨタの口ぐせ」である。1965年入社以来、一貫して「組立」に携わってきたトヨタの元社員は言う。
「現場は毎日変化させないといけない。この言葉は上司から繰り返し言われました。現場が変わっていないと、「おまえの現場はいつも一緒じゃないか」と叱られました。」
改善をやり続けていれば、現場は当然どんどん変わっていく。セブンイレブントヨタも。そして我々一人ひとりも。
<参考>
「整理」
Deciding what is needed and what is not needed and removing what is not needed from the site of the job,The first S of 5S,original meaning in Japanese is
“disposition”
「整頓」
Locating what is needed so that it will be available to the job immediately, The second S of 5S, original meaning in Japanese is
“tidy” or “set to rights”
(資料)改善用語集より
http://www.fredharriman.com/resources/documents/FHcom_Kaizen_Terminology_03.pdf