拡大する食品の虚偽表示

関西の著名なホテルに端を発した食品の虚偽表示問題が止まらない。数多くの有名百貨店に拡大している。この問題は多面的に考えるべきだ。売る側の責任は言うまでもないが、買う側も、また高級食品やグルメを単に礼賛するメディアにも反省が必要である。
先日、このブログでもとりあげたが江戸商人の根本には
「その場かぎりの狭い視野で、お金を得たと喜んではいけない。それは一時的なものであって、長い目で見ると失敗する。」
という思想があったはずだ。
日本人は、「のどもとすぎれば・・・」の性格が抜けない。何度も何度も繰り返す。
バブル経済の最後の1990年に発刊された草柳大蔵さんの著書に『なぜ一流なのか』(大和書房)がある。草柳さんは言う。

なぜ、一流品なのか―読むオシャレ・24章

なぜ、一流品なのか―読むオシャレ・24章

一流品とは何か、と問われれば「よい仕事がしてあること」と答えればそれで充分であろう。「よい仕事」とは、
第一に、材料が吟味され、しかも生かされていることだ。
第二に、仕事の仕組みが堅実であることだ。
第三に、使い勝手が良いことである。

値段が高いこと、有名ブランドがついていることが一流の条件ではないはずだ。売り手も買い手もよく見極める目を持つことが大事だ。
最近は、地域起こしと称して各地でブランド化、ゆるきゃらがブームになっている。まずは、一流の商品を持つこと、そこから自然とブランドやキャラクターが広まっていく。中身の商品おかまいなしに表面的なお化粧をほどこしてもすぐばれてしまう。
虚偽表示問題は食品だけにとどまらないはず。潜在的には他の商品分野にも危険は潜んでいる。一人一人が見直しをすることが大事だ。