富士山は世界一か?

kohnoken2009-02-01

前日の風雨の天気がうそのように、2月1日は晴れ渡った気持ちの良い朝を迎えた。箱根山に登る。大観山からは伊豆の島々が陽光に照らされて幻想的に眺望できる。また、富士山の美しさもさることながら、その奥に南アルプスの山々まで見渡せる日というのは、一年にそうはないだろう。
山部赤人は、万葉集
「天地の 別れし時ゆ 神さびて 高く貴き 駿河なる 富士の高嶺を 天の原 振り放け見れば 渡る日の影も隠れひ 照る月の 光も見えず 白雲も い行きはばかり 時じくぞ 雪は降りける 語り継ぎ 言い継ぎ行かむ 富士の高嶺は」(巻三−三一七)
と歌っている。いにしえの頃から富士は神のように崇められてきた。日本史の中の世界一
『日本史の中の世界一』の中で、田中英道氏は、山の美しさでいうと、アフリカのキリマンジャロや、アルプスのマッターホルンなど美しい山は枚挙にいとまがない。としながらも、しかし、

その精神性、国民の伝統的な愛情を考えると、富士山の美しさは世界一といっていいだろう。縄文遺跡から北斎、広重の富嶽図、現代画にまで連綿として表現されるその美術の量からしても、世界のどの山をも圧倒しているのである。(同書23頁)

と語っている。