七五三と氏神様

昨日・今日と全国的に晴れの天気のようです。七五三は本来、11月15日に行われるものですが、最近は11月中旬の土日の休日に、神社にお参りする人が多いようです。今日15日は大安でもありますので、神社は結婚式を挙げられる人々でもにぎやかになることでしょう。
七五三は子供の成長を感謝して氏神様にお参りして神職の祈祷を受ける神事をもとに作られました。子供の成長の節目ごとに、子供を無事に育ててくれた神様に感謝をしたのが始まりです。
かつての日本人は、生まれてから死ぬまで一つの土地で過ごすことが多かった。武士社会になると本拠地を離れて移動する領主が出てきて、現代では、一生一つの土地に暮らす人は少なく、引っ越しの連続でしょう。
引っ越しとともに氏神は変わっていきます。最近は神社庁が全国の氏神を規定していますので、ウェブサイトで住所を入力すれば、氏神となる神社名がわかります。
私は約20年ほど横浜市青葉区に居住してきました。区内で一度引っ越しをしていますので、現在は東急田園都市線青葉台駅田奈駅の間に住んでいます。氏神の神社は神鳥前川神社(しとどまえかわじんじゃ)です。
同神社のウェブサイトで由緒が語られています。

当社は文治三年(1187年)五月、武蔵国桝杉城主・稲毛三郎重成により創建されました。
重成は敬神の念篤く、所領稲毛に稲荷社を建立すると共に霊的な夢のお告げを受け、武神日本武尊ヤマトタケルノミコト)及びその妃弟橘比売命オトタチバナヒメノミコト)を御祭神としてこの地に祠を建て白鳥前川神社と名づけたと言い伝えられて居ます。
白鳥というのは御祭神日本武尊が伊勢の国煩野(ノボノ)にて逝去の際、神霊化され白鳥になられたという故事により、また前川とは神域の真下を鶴見川支流の恩田川が流れおり、弟橘比売命オトタチバナヒメノミコト)の入水の故事に重ね合わせて名付けられたものです。それがいつの頃よりか白鳥が転じて神鳥と書くようになり、これを「シトド」又は「シトトリ」と読むようになり、今日に至って居ります。

写真は同神社の本殿と仙元社(せんげんしゃ)、恩田川です。仙元社は生命の象徴とされる霊峰富士をお祀りしているものです。



田園都市線の駅前はほとんどが都市化され商業施設や住宅が密集してきていますが、この神社の最寄り駅である田奈駅は、周辺が田園地帯となっています。恩田川という川が流れていて、川岸には自転車と人のための道が整備されていて、上流に向かうと東京都の町田市に至ります。田奈という地名は「恩田村」「長津田村」の「田」と、「奈良村」の「奈」から付けられ、昭和14年横浜市編入されました。旧・奈良村のちかくには「こどもの国」という施設があります。同施設のサイトから由来を拾ってみましょう。

1959年(昭和34年)4月の皇太子殿下(現天皇陛下)のご結婚を記念して、全国から寄せられたお祝い金を基金に、1965年(昭和40年)5月5日のこどもの日に開園しました。旧日本陸軍田奈弾薬庫補給廠跡の国有地が米軍から返還されたのを受けて、国費をはじめ多くの民間企業や団体・個人の協力で整備されました。次世代を担うこどもの健全育成のための施設で、児童福祉法に基づく児童厚生施設です。

こどもの国は、子供だけでなく大人も高齢者も楽しめる自然あふれる施設です。
ベッドタウンと化した東京や横浜の近郊地域。地元との結び付かいが希薄になっていますが、天気の良い休日には、ふらっと氏神様を訪ねたり遊歩道を歩くのもよいでしょう。
ちなみに、すでに街はクリスマスの飾りつけがにぎやかになってきました。大統領選が行われた米国では、職場や学校で「クリスマスおめでとう」ということすら憚れる風潮があるといいます。特定の宗教を強調してはならないということです。こうした息苦しい雰囲気に反旗を翻したのがトランプ次期大統領でした。
日本では、正月には神社に初もうで、お彼岸には墓まいり、暮れになるとクリスマス、最近ではハロウィンの騒ぎも付け加わりました。八百万の神を、わけへだてなく受け入れる柔軟性、多様性を本来の日本人は持っているように思います。PC(ポリティカルコレクトネス)や言葉狩りが行き過ぎるのは、どうかと思います。