『イギリス・繁栄のあとさき』『イギリス近代史講義』
多くの人は固定観念や常識というものにとらえられてしまっている。それが、時々打ち破られることがある。
人と会う、現場に出向く、本を読む、インターネットに触れるといったことで違った捉え方があるのだということを経験するのである。
それが人間としての成長であり、一皮むけるということなのだろう。
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私自身、次のような固定観念を持っていた。
○歴史とは過去のことを記述したものである。
○グローバル化とは世界が一体化することである。
○経済発展の秘訣を解き明かすのが経済史家の使命である。
○イギリス経済は「産業革命の故郷」であり「最初の工業国家」である。
○戦争に勝つ要因は「生産力の差」や「兵士の士気」である。
○西欧社会における農業において重要なのは小麦であり、茶や砂糖は重要ではない。
○資本投下がなされる地域が発展する場所である。
○人は身なりで判断されない。
○晩婚化、核家族化は日本独特の動きである。
○経済の発展はウェーバーの言う経済合理性によるものである。
○経済合理性のないところに発展はない。
○日本がイギリスに学ぶべきところは、もはや何もない。
こうした、考え方が見事に打ち砕かれた。
なぜ、いまイギリスか。この2冊は、1ページ読むごとに、頭を揺さぶられ、今の時代の解釈と未来を考えさせられた。
歴史という営みは、たんに過去の思い出を温めることではなく、未来をめざす未来学であるというのが、年来の私の主張である
という著者の言葉の意味を実感した