フラガール

テレビで映画「フラガール」を観た。2006年に話題になった作品である。面白かった。NHKのプロジェクトXのシリーズを膨らませたような新規事業開発物語である。
福島の常磐炭鉱が斜陽になっていく中、常磐ハワイアンセンターというレジャー施設の開発が計画され、そこでフラダンスショーを演じる女性たちと、それを取り巻く地域の人たちの物語である。
http://www.youtube.com/watch?v=Tt8ncP4dPJY
岸部一徳演じる常磐炭鉱・新規事業リーダーと、松雪泰子演じる東京から先生役で招かれた松竹SKDダンサー平山まどかの二人の演技が光っている。
炭鉱の仕事からレジャー施設の仕事、そこには精緻な事業計画書だけでは成功につながらない人間同士のドラマがある。それぞれ家族や過去をひきづっている。その中で新しい自分の居場所を発見しなければならない。あるときは、周りのものすべてを敵に回さなければならない時もある。そこで、どう前に向いて道を切り開いていくか、人間力が試される。
ここに登場するすべての登場人物が物語の、そしてプロジェクトの主役である。脇役は一人もいない。そして平山まどか、という先生を発見し、プロジェクトに引き入れた岸部一徳演じる吉本紀夫に真の事業リーダーの姿を見た。
組織を通じて新たなプロジェクトを進めていかなければならない人たちにとって、この映画は良き教科書になるだろう。