回復力、浅田真央と宮間あや

ある実験が行われました。
何十年も修行を積んだお寺の住職と一般人に瞑想をしてもらい、脳波の変化を調べました。
瞑想時の脳波は二人とも静かです。
20分後に、突然、二人のそばで大きな鐘を鳴らしました。
一般人の脳波は当然大きく乱れました。
お寺の住職はどうだったでしょう。
やはり、同じように大きく乱れたのです。
どんなに修行を積んでも、人間は驚くと動揺します。
ただし、回復力には大きな違いがありました。
一般人は元に戻るまでにかなりの時間を要しましたが、住職は30秒後に静かな脳波に戻りました。
どんなにえらい高僧にも、そんなに立派な成功者にも、苦しいことや辛いことは起こります。
でも、彼らは苦しみや、悲しみを引きずったりしません。
あらゆる事象を冷静に受け止め、
今、やるべきことを行動に移し、努力してきたからこそ成功したのです。
……
苦しい時に悲しんでも構いません。
辛い時には泣けばいいのです。
思い切り感情を放出したあとは、
なるべく早く、冷静で穏やかな心に戻ればいいのです。
『今は苦しくても、きっとうまくいく』横山信治著2014年PHP研究所より

今は苦しくても、きっとうまくいく

今は苦しくても、きっとうまくいく

ソチ五輪の日本選手の活躍の記憶も薄れつつありますが、あの浅田真央選手はショートプログラムでの信じられないほどの失敗の後、見事にフリーの演技で復活し、多くの人々の涙を誘いました。また、金メダル絶対確定と期待された高梨沙羅選手は、よもや4位でメダル獲得を逃しましたが、その後のワールドカップ遠征で復活し、圧倒的な強さを示しました。
失敗から立ち直る回復力がこの二人に備わっていたのでしょう。
昨日は、サッカーの男子と女子の国際試合が行われました。なでしこジャパンは、ポルトガルの青空のもとで行われたアルガルベカップ第一戦で、宿敵アメリカと引き分けました。
ゴールキーパーに抜擢された長身の山根選手。ファインセーブを続けた後に、思わぬミスから失点してしまいます。それを見事にカバーしたのが宮間選手のフリーキックでした。
チームの失敗をチームとしてカバーしたのです。個人としてと同時に、チームとしての回復力を感じさせる試合でした。