97歳の幸福論

年末・年始に何冊か本を読みましたが、一番心うきうきしたのが「97歳の幸福論」笹本恒子著(講談社)です。
エコノミストによる経済予測書、エリックホッファーの哲学書佐藤守さんの北朝鮮関係の書、スティーブン・ハンターのサスペンスなども読みましたが、いずれも明るい気持ちにはなりません。

97歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣

97歳の幸福論。ひとりで楽しく暮らす、5つの秘訣

大正3年生まれの現役報道写真家の笹本恒子さん、本書が出版された当時97歳、その後も本を出版されています。こんな元気な百歳近い女性がいたとは驚きです。百歳の人というとキンさん・ギンさんを思い出しますが、あの姉妹のイメージとは全く違うのが笹本さんです。本書には元気な笹本さんの姿、おしゃれな10階の一人暮らしのマンションの部屋、三食手作りされる料理などの写真も満載ですが、百歳近い方のお住まいとはとても思えません。
ファッションやインテリアの先端は20〜40代の人たちがリードすると思っていましたが、90代でも先端を走ることは可能なのだということに新年からびっくりさせられました。
生活のシーンだけではありません。笹本さんのお仕事のことについてのお考えにも教えられました。

どこにも所属しない報道写真家としての無印人間、好きな仕事ができて良い反面、パタッと仕事が来なくなったりする。
その時は、とにかくじっとしていないで、時代の流れをみて、自分のできそうなことを始めてみる。

そしてフラワーデザインやアクセサリーづくりで仕事の幅を広げられたとのこと。
ステレオタイプの超高齢化社会ではない世界があるのだということを教えられました。
若い方、中年の方、高齢を迎えた方、女性だけでなく男性にもおススメしたい本です。