モウリーニョのリーダー論(世界最強チームの束ね方)

NHK−BSでイングランド・プレミアリーグアーセナルVSチェルシーの試合を観た。この試合はビッグ・ロンドン・ダービーと呼ばれている。アーセナルの監督は名将ベンゲル、かたやチェルシーの監督はヨーロッパサッカーの代表的な監督でもあるモウリーニョである。モウリーニョポルトチェルシーインテル・ミラノレアルマドリードを経て、現在古巣のチェルシーに戻ったポルトガル出身の50歳の監督である。
モウリーニョ監督のリーダー論については『モウリーニョのリーダー論』に詳しい。
その中で、かつてチェルシーに所属していたディディエ・ドログバコートジボワール代表)が語っている。

モウリーニョのリーダー論 世界最強チームの束ね方

モウリーニョのリーダー論 世界最強チームの束ね方

監督から教わったのは、フットボールのプレー方法ではありません。そんなものは元々知っていました。監督が伝えたのは「チームとしていかにプレーするか」ということです。この違いは重要です。どこでも成功する考え方です。アーセン・ベンゲル(現アーセナル監督)のように、ともに成長できる選手を求めるのではなく、すでに知的に成熟した選手を求めています。技術的な疑問解決の時間を省き、戦術の発展を優先させるためにも知性ある選手を好むのです。それと我々は試合中に考える時間がありません。決断は一瞬で下さねばならないので、選手たちは事前に監督の哲学を吸収しなければならない。それが、私が監督から学んだことです。

著者のルイス・ローレンスはモウリーニョの組織における知識集約のプロセスを4つの活動に分けている。

?情報の確保
?アイディアの創出
?情報の蓄積
?情報の分配
多くの場合、私たちは事態を複雑にする。その中において、実はモウリーニョの手法は、私が知る限りで最もシンプルなものだ。質問・対話を繰り返すことにより、フィールド内にいるすべての選手が上達の術を身に付け、さらに効果的なプレーの方法を知ることができる。

テレビに映し出されたモウリーニョ監督はスマートで、かつ獲物を狙う獣のような目を持つ勝負師であった。