やきとりの名門・秋吉

お世話になっている先輩お二人と忘年会をした。お店は「やきとりの名門・秋吉」。たかが焼き鳥、されど焼き鳥ともいうべきお店だ。http://www.akiyoshi.co.jp/index.html

その店は昭和34年に福井市に創業した。わずか4坪の店からのスタートだった。創業者の島川丈男さんは、極貧の少年時代、クタクタになるまで働いた丁稚奉公、やっと独立してみれば破産、夜逃げも経験した。島川さんはその著書『夜逃げからの出発』(1999年ゴマブックス)の中で語っている。

夜逃げからの出発

夜逃げからの出発

私はいまでも調理場に立つのが好きだ。調理をしているとストレス解消になる。なによりお客さんと間近で接することが楽しいからだ。

大資本ではなく、一人からスタートしチェーン化をしていった飲食店の強みは、創業者の精神が基本となる。島川さんの次のような言葉は、まさに秋吉のやきとりの味のごとく深みがある。

○自分の甘さを思い知らされた「夜逃げ」体験
○焼き鳥との出会いが人生を変えた
○お客さんを増やすことが一番むずかしい
○お客が一人もいなくても、炭をガンガン焚いて火をおこせ
○客の味の好みは、客のそぶりから盗みとり、それを覚えておけ
○料理の基本は「おふくろの味」
○味づくりには、三六五日、二四時間改良を加え続けよ
○店内のレイアウトの基本は車座
○冷めたらまずくなる料理なら、冷めない工夫をすればよい
○やる気があるかないかは、塩振りを三日もやらせればわかる
○腕のいい古参店員は、プライドを傷つけてはいけない
○銀行を選ぶなら、小さくても融通のきくところを選んで永く付き合え
○売上の伸びより客数の伸びを重視せよ
○数字を目標にしすぎると、どこかで手を抜こうと考えるようになる
○自分のつくったもので儲けて、人のつくったもので儲けない
○独立開業と同時にヒゲを生やすような人は、客商売を甘くみている
○社員のためにおごるなら、ぜったいに身銭を切れ
○後継者には、バトンをまっすぐに直して渡すのが、前任者のつとめ