ラジオと旅

昨日の土曜日昼下がり、自家用車で出かけた際にTBSラジオの久米宏さんの番組、「ラジオなんですけど」が流れていて、好きな旅番組は何ですか、というテーマが特集されていた。
私もテレビでは旅番組をよく見る。そのほとんどはCS放送の「旅チャンネル」。一日中旅番組を放映しているので、隙間時間に見るにはちょうどい。
久米さんのラジオでは、いろいろな旅番組が紹介された。長寿番組では、「遠くへ行きたい」「兼高かおる世界の旅」「小さな旅」などがあるという。兼高さんの番組は昔々見た記憶がある。現在は放映していない。
最近の人気番組としては、正確な番組名は調べないといけないのだが、タレントの火野正平さんが、自転車で日本各地をまわる番組や、路線バスを乗り継ぐという太川陽介さんと&蛭子(えびす)能収さんが登場する番組らしい。私も何度か見たが、とくに面白いとは思わなかった。
TBSのプロデユーサーに旅番組マニアがいるらしい。その方が登場し、マニアらしいマイナーな旅番組を紹介してくれた。BS12で、ヨーロッパの鉄道で30分間ひたすら車窓だけを映す番組があるらしい。ナレーションも説明も音楽も入れず、ひたすら車窓を映し、聞こえてくるのは列車のガタガタという音だけという番組のようだ。まさに、視聴者がヨーロッパの鉄道に乗っているような感覚になる番組とのこと。ぜひ見てみようと思う。
旅番組だから、テレビの番組のみが紹介された。TBSラジオの久米さんの番組なので、ラジオでの旅番組は紹介されないのかと期待したが、紹介されなかった。考えてみれば、ラジオの旅番組などほとんどない。当たり前といえば当たり前。映像のない旅番組は考えられないな、と納得しつつ、そんなことはないと反論もしたい。
たとえば、TBSラジオで平日の午前に「大沢悠里のゆうゆうワイド」の中で毎日欠かさず44年の長きにわたって続いている「毒蝮三太夫ミュージックプレゼント」は、立派なラジオ旅番組ではないですか。
首都圏のなんということのない街場を訪ね、商店や福祉施設、銭湯からナマでマムシさんが毒舌を交えて放送する番組は、立派な旅番組だと思う。
映像のないラジオではあるけれど、マムシさんが訪ねた場所に集まった人たちの元気な声で、聴く人の脳裏に、その場の鮮明なイメージが浮き上がってくるようだ。44年も続くラジオ番組に教えられることは多い。