essayとエッセイ

英語の簡単な文章を書いていてふと思った。英語の文章を書くにはロジカルであるべきと自然に考えるということだ。日本語は母国語なので、どのようにも書けるという気持ちもあるし、すくなくとも間違った言葉遣いなどがなければ理解してもらえるだろうという安心感がある。しかし、英語の文章の場合には、ロジカルでなければ理解してもらえないだろうという緊張感がある。
それと同時に、作文ということについて、はたして日本人は教育を受けてきたであろうかという疑問がわいてきた。
『英語論文・レポートの書き方』(上村妙子他著、研究社)によれば、英語のessayと日本語のエッセイとでは意味が違うという。英語論文・レポートの書き方

essay:a short literary composition on a particular theme or subject, usually in prose and generally analytic, speculative, or interpretive (Random House Webster's Unabridged Dictionary)
エッセイ:形式にとらわれず、個人的観点から物事を論じた散文。また、意の趣くままに感想・見聞などをまとめた文章(「大辞林」)

すなわち、英語のessayは、分析的、客観的、論理的に説明しなければならないのに対して、日本語のエッセイは個人的な経験、感想、見聞を気のむくままに記したものだということだ。
よく、米国のブログはジャーナリズムの一種にもなりうるものが多いのに対して、日本のブログは単なる日記的なものが多い、ということが言われる。エッセイでもブログでも、同じ言葉でありながらどうも米国(英語)と日本ではとらえ方が違うようだ。どちらが良いという問題ではないが、日本人もこれからは、たとえ日本語の文章であってもロジカルで分析的に書いていかなくてはいけないのではないかと考える。そして、あらためて子供だけでなく大人も作文の方法というものについて、しっかりと勉強をしていく必要があるように思えてきた。
……と偉そうに言っているが、上記の自分の文章を読み返してみると、ロジカルでもシャープさでも鈍いことこの上ない。良い文書を書くのは本当に難しい(泣)。