丸山健二のイノベーション

梅田望夫さんに先を越されてしまった。丸山健二さんのことである。
http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/20080512/p1
私も梅田さんと同じく、丸山さんの著作を読んできた。個人的には「庭」というものについて関心があるので「荒野の庭」(求龍堂刊2005年)などは、その長野の丸山邸の庭のエネルギーが写真とともに迫ってくる。そして「生きるなんて」は、どこを抜書きせよといわれたら、困ってしまい、全文書写かなとも思ってしまう。http://d.hatena.ne.jp/kohnoken/20051020「人は見かけによる」(?「よらない」ではない)というが、あの丸山さんの風貌で語りかけられたら、ごもっともです、とひるむしかないというところはあるけれど。
たとえば、「生きるなんて」(朝日新聞社2005年刊)の次の言葉。
生きるなんて

戦争を引き起こす最大の要因はおそろしく単純なものなのです。
国民が国家に容易に従ってしまうことによるものです。
原因はたったそれだけです。
・・・・
しぶしぶ従うというのは、国民が本気で個人の自由と自立を望んでいない何よりの証拠です。それどころか、自ら進んで服従の道を選択するからです。

まあ、この言葉だけで、白いご飯3杯は食べられるというものです。
そして、4月20日日本経済新聞文化欄のことば。

才能を磨かず、才能を育てずして、注文のままに書きつづけていると、けっして卵や雛以上には成長せず、時間の問題で朽ち果ててしまうのは自明の理である。

で始まる、「尽きない文学の天空」という一文は、衝撃で気を失うほどのインパクトを私に与えてくれました。
たぶん、この文章を読んだ多くの日経の読者がそう感じたと思います。そうでなければ我が日本も終わりですが・・・
そして「日と月と刀」。ふだんあまり文学書を読まない人間なので偉そうなことはいえませんが、文学にイノベーションがあるとしたら、この本でしょう。まだ読みかけですが。私のような凡人が読破するにはエネルギーがいります。