稀勢の里、把瑠都、鶴竜よ

大相撲夏場所が始まった。
稀勢の里よ、徳光さん流に言えば君は「牛久・龍ヶ崎の星」だ。今日は仕切りのときから「気配」というものを感じたよ。そして結果としてその気配は現実のものとなった。しかし、君自身が一番わかっているように、２日目からの勝負こそが大事だ。初場所のときも朝青龍を破って君は注目された。今場所初日でもこの結果で注目される。その注目をむしろ糧として頑張ってほしい。相撲ファンの多くは願っている。モンゴル勢二人に次ぐ横綱の出現を。まだ君は若いのだから。あせらずに着実に横綱を目指してほしい。君にはライバルなどいない。琴奨菊がいるって。もちろん彼も試合巧者だ。しかし君は琴奨菊にはない堂々たる横綱を張る風格を備えているよ。君のふるさとに近い茨城の霞ヶ浦はレンコンの産地だな。ハスは地下茎に栄養を蓄える。稀勢の里よ、君も内に秘める栄養はレンコン並だと思うよ。そしていつか優勝して、あの華麗なハスの花を君が咲かせるのを祈っているよ。とにかく２日目以降の君の活躍を期待している。
把瑠都よ、エストニアの星よ。NHKの解説によれば、出稽古が苦手らしいな。そんなことでどうする。母国は小国ながらロシアに対峙し、IT先進国として世界に名を轟かせているではないか。君は人間的には愛嬌があるな。日本人には好かれるタイプだよ。しかし、今まではそれでよかったが上を目指すにはニヤニヤするな。稀勢の里を見習え、そして母国のアンシプ首相のようにきりっとしろ。エストニア名物・血のソーセージでも食べて貪欲になれ。素質では角界一番だと思っているよ。
鶴竜よ、君の控えめな態度は、好感が持てる。モンゴルの二横綱の華やかさも良いが、君の内に秘めた地味さは、職人肌の魅力にも通ずるものがある。だから、このままの姿勢でいいんだよ。あとは白星を重ねることだ。地味な存在のものにとって白星こそ何よりの糧になる。
今場所は、この３人を応援していきます。
（画像）夏場所初日で横綱・朝青龍を破った稀勢の里。