下駄箱があった駅

kohnoken2007-01-07

正月7日の昼下がり、自宅周辺を散歩した。なんといっても散歩はお金がかからない。田園都市の名がついた周辺だが、近くの谷戸(やと:丘陵地に挟まれた湿地帯)は開発され、マンション群が建設されている。田園と住居の共存がイギリス・レッチワースに端を発する田園都市開発の思想であるはずだが、その田園がなくなりつつある。
1969年この街が開発された当時の写真がある。住宅公団の団地や企業の社宅から開発が始まった。周辺は何もない原野である。その原野、田畑が一気に開発されていった。
最寄り駅は、かつて下駄箱が置かれていたという。周辺が湿地帯で少し雨が降ると長靴が必要で、乗降客は駅の下駄箱で長靴に履き替えて帰宅したという。その駅も今、再開発が進んでいる。商業施設として生まれ変わろうとしている。そして、全国どこにでもある顔のない駅、顔のない街になってしまうのだろうか。
長靴に履き替える不便な駅が一つぐらい首都圏にあってもよいと思うのだが。
(画像)1969年日本住宅公団年報より