日本アカデミー賞

昨晩は日本アカデミー賞の発表の日だった。仕事に集中していて、すっかり忘れていた。「Always三丁目の夕日」が作品賞や主演男優賞、監督賞をはじめ12部門を受賞した。ある評者は、この映画をリアルタイムで劇場で見たことを何十年か後に誇りに思えるときが来るだろう、といっている。
この映画について考えると、以前、本ブログのエントリーで書いた「弁証法」の世界を思い出す。http://d.hatena.ne.jp/kohnoken/20051210/1134172602
時代の進歩とは、螺旋階段のようなもので、上から見ていると同じところに戻ったりで進歩していないようにみえて、横から見ると確実に高いところに昇っている。
今、上から見ると昭和30年代と重なっているのだと思う。それでは、今、あえて言えば平成10年代という時代が、昭和30年代と言う時代と重なっているように見えて、進歩しているところは何なのだろう。
そのヒントは、三丁目の夕日の映画の中に隠されている。
それは、メディアだと思う。
三丁目の夕日では、鈴木オート家に「テレビ」がやってきた。そして東京タワー、これが象徴だと思う。そして今は? そうインターネットだ。
Always三丁目の夕日はインターネットが作り出した大ヒット映画だと思う。
この理由は、語りだすときりがないので、別の機会に書くことにしよう。
三丁目の夕日の隠れた主役は東京タワー、隠れた助演俳優はテレビ受像機だと思う。そして、本当に隠されている奥の奥の影の影の主役は「おかあさんから届いていた手紙に落とされた六ちゃんの涙」だと思ったりもしている。この涙が時代を結ぶつける鍵だ。
この映画をマーケティングという視点から考えると、無数の教訓が生み出されてくると思う。授賞式、昨晩の生は見逃したので、夕方放映されるBS日テレの再放送をぜひ見たいと思う。
ちなみに、今日から「力道山」が封切りされる。
(画像)東京タワー http://www.tokyotower.co.jp/2005/web/06secret_04.htmlより