おいしい白いごはんのような・・・、そしてfolksonomyへ

「Always三丁目の夕日」について、またまた書くことにする。何か、この映画について書けといわれれば、一冊の本ぐらいは書けると思う。このウイズダム・ダイアリーも書くネタがなくて困ったときは、この話題に触れることにしよう。
映画についての感想が、この映画の公式ホームページやYahoo!の映画評などに寄せられているので、時々覗いている。

おいしい白いご飯のような映画

と、感想を述べられていた人がいた。秀逸なコメントだと思う。
お腹がすいたとき、高級なフランス料理はいらない。白いごはんが何よりのご馳走だ。何かに乾いている現代人にとって、この映画は「おいしい白いごはん」だ。
最初にこの映画を見たとき、もしかしたら「黒澤映画を超えるのでは?」と感じた。
邦画の名作は何だろう。「七人の侍」に代表される黒澤作品や「寅さん」映画、個人的には木下恵介監督・高峰秀子主演の「二十四の瞳」がナンバーワンだった。
しかし、この「Always三丁目の夕日」が一気にトップに躍り出てきた感じだ。
老若男女が楽しめる映画、人にすすめたくなる映画、何度も観たくなる映画、何度観ても涙が出てくる映画・・・、この映画に対する多くの人の感想だ。

この映画は、どのジャンルにも入らない映画かもしれない。

これは、DVD「Always夕日町のひみつ」の中に収録されている記者会見で山崎貴監督が発言した言葉だ。
話は変わるが、インターネットの新しい時代のコンセプトとしてWeb2.0という概念がある。このWeb2.0を構成するものの中に、folksonomyという新たな造語がある。folks(人々の)とtaxonomy(分類学)を組み合わせた造語で、「みんなの分類」という意味である。簡単に言うならば、権威ある人々がカテゴリー化した階層構造の分類ではなく、市井の人々が自由に対象のコンテンツを「タグ付け」することによって分類していく方法である。
この映画は、このfolksonomyの分類法によって、口コミによって普及をしていっているような気がする。
いずれにせよ、日本人の心をこれほどまでに動かし、揺さぶった映画はない。
黒澤映画の後、スピルバーグやジョージルーカスが登場した。山崎映画の不朽の名作の後に多くの世界の「明日の映画監督」が続くことを願いたい。
また、あらためてコメントをしていきたい。
(参考)DVD「Always三丁目の夕日・夕日町のひみつ」