時雨の候

時雨

今はとてわが身しぐれにふりぬれば
言の葉さへにうつろひにけり
小野小町

「降り」に「経り」、「言の葉」に「木の葉」をかけている。
時雨が降るように古くなってしまった私を去っていくあなた。時雨に打たれて萎れていく木の葉のようにその言葉までが色あせてしまった。地に落ちる直前に紅葉は最も美しく映える。私の恋も最後の光芒を放ちながら終わってく。
時雨は初冬の象徴的な風景だ。
(画像)すっかり初冬の風景になってしまった街路(11月12日撮影)