掃除派と料理派

かぼちゃ

先日、テレビで料理研究家平野レミさんが面白いことを言っていた。人間には掃除の得意な掃除派と料理が得意な料理派があって、両方得意だという人は、ひじょうにまれにしかいないという。たしかに言われてみるとそうかもしれないなと思う。しかし、どちらも得意な人もわずかではあってもいるだろう。もちろん平野さんは料理派で、掃除はからきしだめらしい。いつか平野邸に泥棒が入り、その泥棒が捕まった際に、「自分が入る前に他の誰かが、すでに泥棒で入ったのでは」と警察で証言したというほど、部屋の中が乱雑だったらしい。
料理はクリエイティブな作業である。料理というのはあらゆることに通ずると思う。基本は大事にしなければならない。基本をはずすと変な味になる。かといって既成のレシピどおり、マニュアルどおりでは飽きてしまう。何かワンポイントでもいわゆる隠し味がほしい。これがオリジナリティとなる。
また、素材選びも大事だし、料理の段取りも重要だ。料理をプロジェクトにたとえれば、プロジェクトマネジメントが重要となる。そして成果は味となってはっきり現れる。また、栄養の知識がないといけない。そう考えていくと料理は奥が深い。最近は中高年男性に料理好きが増えているというのもうなずける。
掃除はどうだろうか。掃除は一見するとクリエイティブではないように思える。料理は新しいものを生み出すが掃除から新しいものは生まれないように見える。しかし、掃除は大事だ。掃除といっても幅は広い。単にほこりをはたいたり、掃除機をかけたりといった掃除もあるし、部屋の中を整理整頓することも広い意味の掃除である。
整理整頓の先にはインテリアのレイアウト変更がある。こうなると単なる掃除からクリエイティブな作業になっていく。よくよく考えてみると掃除と料理は相反するものではなく、共通部分も多いようにも思えてくる。
ちなみに、私は料理派だと思う。掃除は苦手だ。
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