「はてな」の魅力

東洋経済Webより

週刊東洋経済の最新号が「ブログ資本主義」と題するブログ論を特集している。このテーマを取り上げるのは少し遅いような気がするが、時代を後追いせざるを得ないマス媒体であるからいたしかたない。表紙は、株式会社はてな社長のの近藤淳也さん(29歳)。平均年齢28歳11人の社員による大学の研究室のようなオフィス風景も紹介されている。
取材記者は、はてなという会社と近藤社長を次のように表現している。

それは六本木ヒルズ族のような「稼ぐが勝ち」のギラギラした欲望とも、「テクノロジーいのち」の無機質な感覚とも異なっている。

情報を隠すのではなく、どんどん公開し、ユーザーの声を聞きながら新たなサービスを作り上げていくオープンイノベーションの実践が、はてなでは行われている。livedoor楽天に次いでブログサイト閲覧者ランキングで第3位に位置するはてなの魅力は、記者の言うとおり利益や技術第一ということが前面に出てこない、なにか無色透明でボランティア組織のような若い躍動感が伝わってくることにあるのかもしれない。
「ブログ資本主義」という言葉は、うまくはまっていないが、何か新しい仕事の仕組みや組織のあり方が、はてな社をみていると感じられる。昔(といっても20数年前)、マリリン・ファーガソンというアメリカの女性が著した『アクエリアン革命』堺屋太一訳(実業之日本社)という本を思い出した。
この革命というのは、

古い社会の規範から離れて、新しい考え方に目覚めた個人があちこちに出現して、お互いに知り合うことはなくとも、アクエリアス水瓶座)に象徴される透明な知性が目に見えない連帯となって拡がっていき、それがやがて世の中全体を変革していく。

というものであった。まだインターネットもブログもなかった時代に予言されたものである。
はてながリードしたブログの普及は、このアクエリアン革命のような気がする。
本ブログ「ウイズダム・ダイアリー」をこの「はてなダイアリー」にしたのも、そうした摩訶不思議な感覚によるところが大きい。
P.S. はてな近藤社長の次の連載が面白い。http://blog.japan.cnet.com/kondo/