評価のモノサシ

「【腕前】お客様は技術を評価してくれない。お客様の要求を満足させているかどうかがモノサシです。」

『仕事ができる人の心得(改訂3版)』小山昇、CCCメディアハウス、2017刊

かつて職場の同僚が会社を退職して転職するとき花束を贈ったことがある。職場近くの花屋さんで花束作成を依頼した。「その方はどんな色が好みでしたか?たとえばよく締めておられたネクタイの色は?」「年齢やご家族構成は?」「その方の特徴を一言で表すと?」という2〜3のやり取りを店員のデザイナーと話した後に、花束を作ってくれた。
見事なまでの同僚の好みの花束に仕上がった。出来上がった花束を見て贈り手の自分も満足したし、贈られた同僚も喜んでくれた。
フラワーデザイナーがどういう資格を持っているかとか、技術のレベルはどうかなどは顧客にとって大きな意味を持つわけではない。重要なのは自分の求めているものを満足させてくれるだけのアウトプットを提供してくれるかどうか、ということだ。
高い技術水準を持っていることは大前提。しかし、顧客の満足を得られない商品やサービスを提供したのでは意味がない。技術はアウトプットに活かされないといけない。
このことは花屋さんに限らず、すべての仕事に通ずることだと思う。