古事記の宇宙

古事記の宇宙』竹内睦泰(たけうち・むつひろ)著が11月3日に発刊された。
すでにamazonランキングでは歴史・地理の部門で1位となっている。
https://www.amazon.co.jp/dp/4792605709/
竹内さん(通称むっちゃん)の存在を知ったのは1年半ほど前に見た、ネット人気番組「チャンネルくらら」での倉山満氏、藤岡信勝氏との対談動画であった。
第73世・武内宿禰にして、代々木ゼミナールでの人気ナンバーワン日本史講師を何年も続けた鬼才(奇才?)である。
竹内さんは新著の「はじめに」で語っている。

日本人は古事記を知らない。
古事記は日本の根本を書いたものである。
そして宇宙と自然の叡智が凝縮してされている。

竹内さんは、最先端の物理学が、今、やっと古事記の描く世界に追いついてきたという。
宇宙理論のインフレーション理論・ひも理論と古事記との相似性、
また
DNAのらせん構造と出雲大社のしめ縄の相似性についても語る。
竹内さんは、かつての予備校生や一部の人々の間では有名だが、一般には全く無名の人である。
初めて、竹内さんの動画を見る人には「ギョ!この人だいじょうぶ?」と驚かれるかもしれない。

古事記といえば、竹田恒泰さんがいる。
竹田さんのほうは、有名人である。
『現代語・古事記』は、つねに上述のamazonaランキングで
上位を占めているロングセラーである。
地上波テレビ(関西圏放送の「そこまで言って委員会」など)や
有名芸能人との婚約騒動(結局、その後破局し、別の方と結婚され
最近お子さんが誕生したらしい)で有名である。
竹田さんの同著の「序にかえて」では、次のように古事記の意義を語っている。

今、なぜ「古事記」なのか。その答えは、20世紀を代表する歴史学者アーノルド・
J・トインビーの遺した次の言葉に端的に現れている。
「12,13歳くらいまでに民族の神話を学ばなかった民族は、例外なく滅んでいる」
この言葉は、民族の神話を学ぶことが民族存立の要件であることを示唆するもので、
現在の日本人が日本神話を学んでいないことが、どれだけ大きな問題を孕んでいるかを教えてくれる。

竹内さんや竹田さんのように
最近は、博識でユーモアがあって、高貴でありながら庶民的な人が活躍できる時代になった。
人々は、大学教授や評論家、ジャーナリストの肩書を持ちながら、実は中身が空疎な人々に飽きている。
お二人のような、中身のある面白い人がもっともっと出てきてほしいものだ。

秋の夜長、古事記の世界に浸るのもよいかもしれない。