「超健康になる!足うら・ふくらはぎほぐし」「なんごうつぐまさが説く看護学科・心理学科学生への「夢」講義(3)」

1990年代の終わりに中国遼寧省瀋陽に出かけた。医療機関、整形美容医院、美容院、エステティックサロン、フットマッサージの施設などを訪ね医療健康産業の将来のヒントを探した旅であった。あるフットマッサージの店では、近くの立派な病院の男性医師が出張してきて足裏マッサージをしてくれた。いろいろ事情を聴いてみると、当時日本からの観光客がけっこういて、たとえばわずか日本円で1人1000円ほどの収入でも、現地の医師にしてみれば大きな収入になるということであった。
その後、日本でもリフレクソロジー、リンパフェイスマッサージ、整体などの治療院が数多く駅前周辺のビルにできていった。西洋医学では解決できないことを東洋医学やマッサージが解消してくれる。

超健康になる! 足うら・ふくらはぎほぐし

超健康になる! 足うら・ふくらはぎほぐし

「足うら・ふくらはぎほぐし」大谷由紀子著は、よくあるイラスト付きの健康本でコンパクトにわかりやすく解説されていて、重宝している。
以前にこのダイアリーでも取り上げた武道家の南郷継正さんが面白いことを書いている。「なんごうつぐまさが説く看護学科・心理学科学生への「夢」講義(3)」という言い方は悪いが、奇書とも言ってよいが、実は中身の濃い、すでに5巻までシリーズで出版されている本である。

毎年夏に行っている暑い太陽に熱せられた鉄板やマンホールのフタや黒くとがったi 砂利道や溶けそうになっているアスファルトの上や、海岸の黒い砂浜での「足の裏のヤケド、またヤケドの連続の夏の訓練」は、1983年ころから始まって二十年以上に及んでいるのです。そのおかげで、四十代よりは五十代、五十代よりは六十代と年齢を重ねるに合わせて体調もよくなり、頭脳活動も活発になっていった、つまりはカラダもココロも「こんなに良くなっていいのか」と思うほどに実力が向上していったのです。
と、以上のように説いてみても、皆さんからは「それがどうしたというのですか、足の裏のヤケドに一体なんの意義があるのですか、私にとってはバカバカしいとしか思えませんが……」というような、きつい反感をもった批判とてあるだろうと思います。

南郷さんは、そこで「モンテクリスト伯アレクサンドル・デュマ著(岩波文庫)の一節を持ち出す。

「御存知でもありましょうが、こういうような場合にはただの健診だけではすまないことになっております。外見の如何はともかくとして、役目にして、法律に規定されている手続きだけはすましておいていただきます。「こてを焼いてください。」と医者が言った。…しばらくのあいだ沈黙に返ったあとで、肉のジリジリ焼ける音が聞こえた。…「いかがです。もう死んでおりましょう?」と、医者が言った。「こうやってかかとを焼いてみればたしかです。」」

屍体に焼きゴテをあてる場面である。本当に死んでいるのかどうかを確かめるためである。仮死状態であれば、焼きゴテを足の裏にあてると生き返る。そのくらいに足の裏は脳に直結している。だからこその真夏の足の裏の鍛錬だという。すくなくともボケ防止には有効であると。
南郷さんは言う。

私たち人間は哺乳類であるにもかかわらず、哺乳類としての手は使うことがあっても、足を使うことがほとんどない!。哺乳類としての足の使い方をしないとは、端的には「大地を素足で歩かない」という一言で十分です。だから足の裏健康法のブームがあるのだ、とわかってください。

さあ、足裏健康法をつづけてみよう。
(過去エントリー)南郷継正「武道とは何か」
http://d.hatena.ne.jp/kohnoken/20131029