葉山・一色海岸と神奈川県立近代美術館・葉山

kohnoken2009-09-26

トワエモアの歌ではないが、いまはもう秋で、海には誰もいない。9月も終わりの土曜日の朝、天皇家葉山御用邸に近い葉山の一色海岸を歩いた。鵠沼や腰越のような賑やかさはないが、逗子から葉山にかけての海岸は、波静かで落ち着いた雰囲気がある。葉山は海岸近くに小さな山が迫っていて、それが何ともいえない景観の美を感じさせてくれる。
葉山に出かけた目的は神奈川県立近代美術館・葉山での企画展「アンリ・リヴィエール展」だ。アンリ・リヴィエールは日本の浮世絵に心酔したフランスの画家・版画家である。企画展では北斎富嶽三十六景にちなんだ、リトグラフの「エッフェル塔三十六景」をはじめとして、フランス・ブルターニュの自然をテーマにした作品が展示されている。
北斎の作品には海を描いた作品が多いが、リヴィエールも北斎にならって数多くのフランスの海を描いた作品がある。葉山・一色海岸と、そこから遠くかすむ富士山の実際の風景を眺めた後だけに、展示されている版画の数々が現実の目の前の風景に重なってくる。
美術館のレストランからヨットが行きかう青い相模湾を眺めていると、ここはアランドロンの映画に登場する地中海かと錯覚してしまう。
夏から秋へ季節は変わっていく。
(画像)葉山・一色海岸