冒険王・横尾忠則

kohnoken2008-04-29

昭和の日、世田谷美術館で企画展「冒険王・横尾忠則」を観た。横尾さんの存在を知ったのは小学生のころだった思う。どの作品ということではないが、子供心に何か新鮮で大人の世界のようなものを感じた記憶がある。
展示はルソーの絵をモチーフにしたユーモアあふれる作品から始まり、夢、Y字路、温泉を描いたものや雑誌「平凡パンチ」のイラストなど多方面における作品は独特の世界を築き上げている。Y字路を描いた作品は見るものから「岐路に立たされたように気分になる」と言われることが多いらしいが、ご本人はモチーフは「ふとした対象との出会いで決まる」とのことで、「作家の内面表現など試みたわけではない」らしい。
ショップで横尾忠則著『人工庭園』(文芸春秋社、2008年4月刊)を購入した。これがまた面白い。散文と絵画を融合したもので、幼少5歳のときの模写絵からY字路まで105点が収録され、自己の解説とともに、その絵に関連したエッセイが綴られている。
横尾さんの作品を見ていると、ふと童心に帰ってしまう。広々とした砧公園も散策できた今日という日はうららかな昭和を思い出す日であった。
(画像)横尾忠則 ジュール・ヴェルヌの海 2006年 世田谷美術館ウェブサイトhttp://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/exhibition.htmlより