旅の極意、人生の極意

旅をすると若返るという。かといっていつも旅が出来るわけではない。せめて本や映像の中で旅をした気分に浸りたい。旅のことを思うだけでも若返るのではないか。日本における経営コンサルタントのプレゼンスを高めた大前研一さんの『旅の極意、人生の極意』は美しい写真とともに、まだ見ぬ世界への旅情をおおいにかき立ててくれる。
大前さんは学生時代に通訳案内業の資格を取り、東京オリンピック目前で世界の注目を集めだした日本を訪れる外国人観光客を日本各地の観光地に案内した。そのときに培った英語力やプレゼン力が、その後のコンサルティングの仕事の基礎となったのではないかと振返っている。
大前青年が外国人観光客を案内するアルバイトをしていた1960年代前半から、はや半世紀近くがたとうとしている。しかし今だ、世界の観光の中で、日本を訪れる観光客の数は少ない。経済でも日本の地位が低下しつつある中で、日本観光のプレゼンスもさらに低下をしてしまうのは悔しい限りだ。外資も観光客も注目する日本でありたいものだ。
（画像）同書に掲載された南イタリア・アマルフィ海岸のポジターノの景観