デカップリング論とグラミンフォン

通勤電車の中でニューズウィーク日本版2月6日号を読む。カバーストーリーは「デカップリング経済の真実」だ。サブプライム危機で米国経済が沈んでも新興国は成長を続けて世界経済を牽引するというデカップリング(非連動)論を本当に期待できるかと記事で面白く読んだ。
新興国」、これが今、世界経済を読み解くキーワードだと思う。
最近読んだ本の中で、興味深く引き込まれてしまったものに『グラミンフォンという奇跡』ニコラス・P・サリバン著、東方雅美他訳、英治出版(2007年7月刊)がある。グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換 [DIPシリーズ]
戦争で荒廃した祖国バングラデシュの発展を夢見る起業家イクバル・カディーアが、祖国で携帯電話サービスの事業を展開することで、貧困層の人々の生活がダイナミックに変化する物語だ。
同書のはしがきの冒頭でビル・クリントンアメリカ大統領の言葉が紹介されている。

バングラデシュは、今後よい投資先となる。……携帯電話を買うお金を借りられたことにより、村全体が情報化時代に参加できるようになった。私はこの話を全世界の人々に知ってもらいたい。

わが国では、都市の地方の格差の問題が顕在化している。地方再生が喫緊の政策課題である。
昔ながらの援助ではなく、自立を支援することが重要だということを、この本は教えてくれる。日本の地方再生にも多くのヒントを与えれくれるな、と思った。