自壊する帝国

恥ずかしながら、エストニアラトビアリトアニアという旧ソビエト連邦の沿バルト三国の地理的位置をこの本を読むまで知らなかった。自壊する帝国
この本の主要登場人物の一人、アレクサンドル・カザコフ(通称サーシャ)はラトビアのリガ出身である。
1980年代後半から90年代初頭。佐藤優という若き外交官が、ソビエト連邦崩壊の過程をロシア人との人間的な触れ合いの中から描いている。
なんだか日本の明治維新の際の若者の躍動のようなものを一瞬感じた。しかし、幕末の物語のほうがロシアの物語よりスケールが大きいのではとも思う。
ソ連、ロシアというのは、なかなか日本人にはなじみが薄い。かろうじて「坂の上の雲」(司馬遼太郎)の日露戦争で描かれたロシアぐらいであろうか。
ロシア人及び佐藤優氏の人間的な側面に、この本を通じて接することが出来た。