MITヒッペル教授のイノベーションの民主化

「利は元にあり」という商売の格言がある。一般的にはできるだけ安く商品を仕入れれば利益が生まれる、ということを意味している。しかし、それだけではない。単なる販売価格と仕入れ価格の差を極大化すればよいというものではない。良いアウトプットを出すためには「質の高い」インプットを探し出し、かつそのために調達側が品質要求を調達先に突きつけることも重要だということだと思う。民主化するイノベーションの時代
品質要求を突きつけ、調達側がそのためのアイデアを惜しみなく調達先に提供する。これを先端的ユーザーと呼ぶ。
日本経済新聞1月27日の経済教室はマサチューセッツ工科大学教授のエリック・フォン・ヒッペル氏が「イノベーション民主化:先端ユーザーに学べ」を投稿している。メーカーは先端的ユーザーを見つけ、彼らから学ぶ方法を考えるべきだと主張している。人工心肺を開発したのも、医療機器メーカーではなく、先端ユーザーである医師であると述べている。
ひるがえって、ライブドアホリエモン騒動でマスメディアの責任が問われている。人気番組の「朝まで生テレビ」でも今、このテーマで喧々諤々のおしゃべりが聞こえてくる。テレビはどれだけ先端ユーザーを取り込んでいるのか。朝生の登場パネラーで目新しい人物はいない。興味は小飼弾さんがどの程度の発言をするかだけだった。
テレビの討論番組の質の向上は、登場パネラーの発掘にある。せめてブログ界の重鎮だけによる「朝生」が実現していたらテレビも後追いながら変わったなと感じれたのだが、現実はまったく変化なしだった。あえて「闇」に踏み込んだ週刊文春にも負けている。
これでは、ますますテレビは過去の遺物になるだろう。