レモンスペシャルダイエット

kohnoken2005-07-06

以前から覗いてみたいと思っていた店があった。ハーブティーを売る店だ。さまざまな種類のブレンドティーに対してユニークなブレンド名がついているので人気があるという。
都心のターミナル駅近くにある大型雑貨店に出店しているこの店を覗いてみた。思っていたほど広くなくシンプルな陳列の店だ。なるほど、一つ一つのブレンドされたハーブティーの商品ごとに「モンローのように”キュッ”となりたい時に」とか「月夜のダンス」とか「人魚姫の願い」とかブレンド内容にふさわしいネーミングが商品名になっている。
商品を眺めていると,ちょうど良いタイミングで店員の女性が「一口お試しになりませか」
と小さなカップに入ったハーブティを差し出してきた。
口に含むと何ともレモンの香りがして適度の甘みもある。時々、ワインのキャンペーンなどで店頭で試飲をうながされることがあるが小さなカップで一口飲むとなぜか、いつもおいしく感じてしまうのは私だけだろうか。
「「レモンスペシャルダイエット」という当店のオリジナルブレンドです。」と説明してくれた。最近ダイエットが気になっていてときだけに,私の体型を一瞬のうちに見て取って奨めてきたような感じがしたが清楚な感じの店員さんなのでなぜか納得してしまった。
「200グラムの袋で6000円です。」これがお奨めだという。「えーっ、ずいぶん高いんだなー、100グラムでもいいかなー」と尋ねると「ダイエットのためには、続けて飲んでいただいたほうがよろしいので200グラムをお奨めしますが、150グラムでもおつくりすることはできます。」という。ここでも、うまく乗せられた。「じゃあ150グラムで。」と応えた。
「それから、ハーブティ専用で漉し網の目の細かなカップがございます。これですと、ハーブが網から漏れません。」という。1カップ約2000円もする。「えーっ、高いなー」と同じ言葉の繰り返し。店員さんは「耐熱ガラスで、電子レンジでもご利用できます。」と、丁寧に説明してくれた。
結局、ハーブティーカップで6500円あまりの出費となった。ただ覗くだけのつもりが、高価な予定外出費になってしまった。それもこれも「ダイエット」というネーミングの力と上品で丁寧な店員さんの魅力によるものだ。精算を済ませた後、「ご家族の方にもおすすめください。」と最後の挨拶の言葉が返ってきた。
本当にうまく洗脳させられてしまったが、なぜか気分が豊かになった感じがして店を後にしたのは不思議だ。これからは、誘惑に乗らないように気をつけよう。